日本人が思う「日本の観光地」と、海外から見た「行ってみたい日本」は、実は少し違うのかもしれない。日本政府観光局(JNTO)が海外旅行者に向けて、2027年に注目したい日本の旅行先を発表。選ばれた奈良、香川、島根、新潟、神奈川の5地域を見てみると、日本にいると気づきにくい“日本の魅力”が見えてきた。

瀬戸内海を望む「小豆島オリーブ公園」(香川県 / photo: JNTO)

海外が求める日本、もっとニッチに?

奈良と聞けば鹿や大仏、香川なら讃岐うどん、新潟なら米や日本酒。日本人なら、そんなイメージを思い浮かべる人も多いはず。

ところが、JNTOが海外旅行者に見せている“日本”はちょっと違う。奈良で注目するのは、世界遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都」と、旧奈良監獄を生まれ変わらせたラグジュアリーホテル。香川は「うどん県」ではなく「Art Prefecture(アート県)」、新潟には「Gastronomy Meets Art(美食とアートの融合)」というテーマを掲げる。

佐渡島の名物として知られる伝統的な「たらい舟」(新潟県 / photo: JNTO)

アートを見るために地方へ行く。歴史ある建物に泊まる。日本酒や食文化を目当てに旅をする。東京、京都、大阪などの王道を巡るだけでなく、「自分が好きな日本」を求めて、さらに地方へ。海外旅行者が注目する日本は、よりニッチで具体的になっているようだ。

では、海外はいま日本のどこに面白さを感じているのか。JNTOが2027年に向けて選んだ5地域を見てみよう。

1. 奈良 | 歴史×ラグジュアリー

2026年、「飛鳥・藤原の宮都」がユネスコ世界遺産に登録。2027年には明日香村に「星のや飛鳥」が開業予定だ。さらに、旧奈良監獄を活用した「星のや奈良監獄」も2026年に開業。古代の歴史とラグジュアリーな滞在を組み合わせた、新たな奈良の楽しみ方が紹介されている。

旧奈良監獄を活用した「星のや奈良監獄」(奈良県 / photo: Hoshino Resorts)

2. 香川 | “うどん県”ではなく…

日本最小の香川県を、JNTOは「Art Prefecture」と紹介。ジョージ ナカシマ記念館や丸亀市猪熊弦一郎現代美術館などのアートスポットに加え、2027年夏には高松と直島に「マンダリン オリエンタル」が開業予定だ。

「天空の鳥居」で知られる高屋神社(香川県 / photo: Kagawa Prefecture Tourism Association)

3. 島根 | 日本で最もスピリチュアル

島根は「日本で最もスピリチュアルな県」として登場。2027年に発見500周年を迎える世界遺産「石見銀山」をはじめ、縁結びで知られる出雲大社、日本庭園と近代日本画を楽しめる足立美術館などが紹介されている。

日本最大の銀山遺跡、石見銀山(島根県 / photo: JNTO)

4. 新潟 | 美食×アート

テーマは「美食とアートの融合」。2027年開催の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のほか、米や日本酒、世界文化遺産「佐渡島の金山」、県内約90酒蔵の日本酒を楽しめる「ぽんしゅ館」など、新潟ならではの食と文化が並ぶ。

新潟県内約90酒蔵の日本酒を楽しめる「ぽんしゅ館」(新潟県 / photo: Niigata Prefectural Tourist)

5. 神奈川 | 2027年は横浜へ

2027年3月から9月には、横浜で「GREEN×EXPO 2027」が開催。園芸やサステナビリティ、自然と共生する未来の暮らしを世界へ発信する。2027年には「コンラッド横浜」も開業予定だ。

横浜で2027年に開催される「GREEN×EXPO 2027」の会場イメージ(photo: JNTO)

「うどん県」が海外から見れば「アート県」になり、「米どころ」が「美食とアート」を楽しむ旅先になる。海外からの視点を通して日本を見直してみると、知っているはずの場所にも、まだ知らない魅力が隠れているのかもしれない。