ミッドタウンにある23階建てのオフィスビルが7月31日、購入価格の97.5%引きとなる850万ドルで売却された。コロナ後のオフィス市場の深刻な苦境を反映しているとして話題になっている。1日、ニューヨークタイムズが報じた。

このビルの住所は西50丁目135番地。西50丁目の6番街と7番街の間にある。オフィススペースは92万平方フィート。UBSリアルティインベスターズが2006年、3億3200万ドルで購入した。当時は空室がほとんどない状態だった。ところがコロナが終わり、テレコミュートやハイブリッドワークが主流となった今、稼働率は35%。昨年の40%下回る。
同社は5000万ドル弱で買い手を探していたが見つからず、不動産オークションサイトで競売にかけた。開始価格は750万ドル。唯一ついた値段が850万ドルだった。当初は「希望価格に満たない」となっていたが、終了時間間際に「希望価格に合致」となって落札された。
市内では他にも半値以下で売られているビルもあるが、これほどの値引きは前代未聞。06年に売却したディベロッパー、デービッド・スターナー氏は「価値がこれほど急落するとは」とショックを隠せずにいる。
新しいオーナーの名前は取引きが成約した後、明らかになる。オーナーは、借地料を支払う義務があり、内部の改装も必要だ。天井が低く、柱が不規則に立っているためアパートビルへの変更は困難。取り壊して新しいビルに立て替えることも可能だが、数百万ドルのコストがかかる。専門家は「とてもリスクの高い買い物」だと指摘している。
このビルは、1960年代のオフィスビル建設ブームに乗って、宮殿のような映画館「ロキシーシアター」を取り壊して建てられ63年にオープン。一時はタイム社が数階を借りて、スポーツイラストレイテッド誌の編集本部が入っていたこともある。興隆を極めたビルもコロナ禍の犠牲となった。
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