ニューヨーク市内の観光スポットで強盗や暴行など凶悪犯罪が多発している。年末年始のホリデーシーズンを前に、関係者の間で懸念が高まっている。ニューヨークポストが15日、伝えた。

Photo: Keiko Tsuyama
ニューヨーク市警察(NYPD)によると今月8日までに、ラジオ・シティ・ミュージック・ホールやロックフェラーセンター、劇場街を所轄するミッドタウン北部分署で強盗が2023年同期間比で90%増加。重犯罪暴行も73%、窃盗は58%増えている。殺人も3件で、前年よりも1件多く、性的暴行も7件から9件になっている。
ペンステーションやマディソン・スクエア・ガーデンを所轄するミッドタウン南部分署でも全体の犯罪件数は減少したものの、殺人は2件から4件に、性的暴行も10件から20件に増えている。市全体では犯罪は2.5%減少しており、窃盗は9%減、殺人は13%減となっているものの、人気スポットが狙われていることが分かる。
地元住民から「ホームレスが通路をふさぐなどしてじゃまをする」「路上でけんかが絶えない。巻き込まれるのはごめんだ」などの苦情が出ている一方で、「シェルターや社会復帰施設の問題はあるが、新型コロナの頃と比べて違法薬物の使用は減った」として改善したとの指摘もある。
ただ地下鉄での凶悪犯罪は深刻だ。特に殺人は今年60%も増え、8件も発生。25年ぶりに2022年に記録した年間10件に迫る勢いだ。1997〜2020年には年間5件を超えたことはなかった。NYPDは警官1000人を増員し、主要な駅の警護に州兵750人を動員している。
市内全体では、地下鉄内の犯罪は6%ほど減少。窃盗も18%、重犯罪暴行も5%減っている。NYPDの広報担当も「武器類の押収は昨年よりも多い。銃は28丁から43丁、ナイフは1004本から1536本だ」と説明する。それでも説得力に欠ける。利用者からは「精神的な障がいを持つ人を多く見かける。誰に何をされるか分からない、突然線路に突き落とされるかもしれないと思うと、不安は解消されない」との声が聞かれた。
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