「妻のキャリアがとても順調だったので、(主夫転向は)ある意味、当然だった」。アメリカを離れ、ロンドン生活3年目のチップ・ケリーさんは、決済会社の欧州担当最高リスク責任者である妻・ナタリーさんを支える「駐夫」だ。夫妻に第1子が生まれた数年後、双子に恵まれた。昇進したナタリーさんがノースカロライナから週4日、サンフランシスコに通勤する反面、仕事も子育ても思うようにできていない自分に直面。仕事を辞め、主夫業への専念を決意した。

21日付のウォール・ストリート・ジャーナルは、バリバリ働く妻の傍らで、家事・育児を担う男性たちを取り上げた。ピュー・リサーチ・センターの報告書(2023年)によれば、妻が夫と同じか、夫以上の収入を得ている全米の異性夫婦は、実に45%に上る。全米の専業主夫率は1989年の11%から、21年には18%に上昇した。一方、「夫が妻よりも稼ぎ、働いている妻が家事・育児も担う」との価値観のもと、専業主夫を務める男性には汚名がつきまとってきた。ただ、そうした見方は急速に変わっている。
熾烈な大統領選を戦っているハリス副大統領の脇には、弁護士としてのキャリア形成を断念し、政治活動を支えるダグ・エムホフ氏がいる。ウォール街でも、専業主夫にサポートされながら、仕事に邁進する女性は決して珍しくない。多くの夫婦が語るには、妻のキャリア上昇期と育児期が重なり、夫が育児に時間を割いた方が理にかなっていたという。
編集部のつぶやき「共働きと女性の社会進出」
デイリーサンで執筆を始めてから間もなく4年ですが、これまでで最もあふれる思いを盛り込んだ記事をお届けしました。かくなる私も2017年から約3年、ニュージャージーで駐夫として、妻を支え、子どもを育てる生活に専念したためです。
元記事に登場する全ての男性の生き方に共感し、決断に敬意を表します。アメリカはもとより、日本でも共働きと女性の社会進出が進み、「男は仕事、女は仕事と家事・育児」という硬直的かつ固定的な性別役割分業意識は揺らいでいます。
私が2018年に立ち上げた駐夫グループは、当時の4人から今は180人を超えました。それだけでも、時代が変化していることを分かってもらえることでしょう。(Kazuyoshi KONISHI)
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