
「MAGA(Make America Great Again)」の夢と強さと「黄金時代」に向けて、米国をリセットする―。第60回大統領就任式が20日、ワシントンD.C.で行われ、トランプ新大統領は就任演説で今後4年の将来を語った。ただ、それを会場で見守った主賓は、イーロン・マスク氏など世界トップから3位までの億万長者で白人男性。「物価高から解放し、アメリカをグレートにしてくれる」と期待を込めてトランプ氏に投票した労働者階級とはかけ離れた顔ぶれで、「黄金時代」が誰にとってのものなのか不透明なスタートとなった。
この日、ワシントンのダウンタウンは、MAGAハットやスカーフをまとった有権者の姿以外は閑散としていた。約9割が民主党の大統領候補カマラ・ハリス前副大統領に投票したリベラル派支配の選挙区であり、市民の姿はないという異様な光景が広がった。
零下5度という極寒のため、連邦議会議事堂(キャピトル)の屋内で行われた就任宣誓。ナショナルモールの大スクリーンでそれを目撃しようとした数十万人のうち、変更会場のキャピタル・ワン・アリーナに入れたのは2万人超。宣誓を見たい人々は、スポーツバーに駆け込んだり、カフェや歩道などで各々のスマホに見入った。
テスラCEOのマスク氏、メタCEOのマーク・ザッカーバーグ氏など億万長者らが画面に映ると「イーローン!」などの歓声が出る。トランプ氏の聖書に手を置かない異例の宣誓の直後、「U.S.A. U.S.A.!」のチャントが沸き起こった。
トランプ氏は就任演説で、「公式な政策では、ジェンダーは女性と男性だけとする」と表明。直後から、筆者のニューヨークのLGBTQ友人から涙にくれるビデオメッセージが届き始めた。
トランプ氏は就任式後、移民の強制送還と国境の警備強化についての大統領令に署名。翌21日朝、メキシコとの国境で身の危険を感じて越境した亡命希望者ですらアポイントが取れない事態となり、泣きくれる姿がテレビニュースで流れた。
一連の大統領令は「アメリカ・ファースト」を印象付けるものだが、アメリカ国内にいる人々でさえ涙する内容だった。
(写真と文/津山恵子 ワシントン)
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