2001年9月11日の同時多発テロに関連した後遺症などに苦しむファーストレスポンダーや遺族を支援する基金の削減や、関係職員の人員削減に連邦政府が乗り出したことに対し、批判を強めるニューヨーク州選出の民主党上院議員に共和議員も加わり、政党の垣根を越えて反発が激しくなっている。ニューヨーク・タイムズが19日、伝えた。

今回の削減は、イーロン・マスク氏主導の「DOGE(政府効率化省)」の方針を踏まえたもの。関係者によると、「世界貿易センター・ヘルス・プログラム(WTCHP)」の職員90人のうち、プログラムの監督・管理を担う16人が既に解雇された。
同州選出のチャック・シューマー、カーステン・ジリブランド両上院議員(民主)は17日、DOGEが進める取り組みを元に戻すよう求める書簡を発表。共和党議員は当初、穏やかな反応を示していたものの、人員解雇による影響が広範囲に及ぶことが明らかになったのを受け、批判の声が強まった。共和党所属の上下両院の州議会議員7人は19日、基金削減の撤回と解雇された職員の再雇用を要求。マスク氏を監督する立場のトランプ氏を批判する書簡を同氏宛てに提出した。
ニューヨーク市消防局(FDNY)の医療責任者は「WTCHPがなければ、病気が9.11関連であることを証明できない」と、また解雇された職員の一人は「支援の遅れが生死を分けることもある」と話す。WTCHPには現在、13万7000人が登録している。
トランプ政権側はこの件に関するコメントを発表していない。
編集部のつぶやき
ファーストレスポンダーや、復興作業に従事した人たちのうちいったい何人が、がんなどの関連疾患で亡くなったか。20年以上経った今でもどれだけ多くの人が後遺症に苦しんでいるか。CDCのリンク
をぜひチェックしてみてください。(A.K.)
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