2025年4月25日 2025年の特集 日系教育機関特集 4月:教育特集号 SPECIAL

ニュージャージー日本人学校

基本情報
児童生徒数(4月始業式現在)
初等部19人、中等部20人、合計39人
学期 
4月スタートの3学期制 
1学期 4月10日~7月11日 
2学期 8月12日~12月19日
3学期 1月 6日~ 3月6日

本校の特色

ニュージャージー日本人学校は、ニュージャージー州バーゲン郡オークランドに位置し、自然豊かな環境の中、初等部・中等部が日々“NJ Family”を合言葉に仲良く生活しています。全学年1学級10人以下の少人数構成で、文部科学省派遣教員と現地採用教員が学習指導要領に則ったきめ細やかな授業を実施。アメリカ人講師によるESL(習熟度別編成・週3時間)やART、日本人教師による英語授業により、生徒たちは毎日、生きた英語に触れることができます。

校外学習や宿泊学習(2024年度はワシントンD.C.やフィラデルフィア)、現地校との交流なども年間を通じて実施しており、アメリカ社会の歴史・文化・自然を日々体験的に学習しています。進路説明会(年3回)、教育講演会、進路相談なども計画的に進めており、帰国後や将来にわたる進路選択を考える取組も行っています。また、在外教育施設としての特色を生かし、帰国後のスムーズな適応も視野に入れた教育活動を実践。

今後はアメリカ社会・地域コミュニティーとの連携をより一層強化させ、日本人としてのアイデンティを保ちつつ世界で活躍できるグローバル人材の育成を推進してまいります。

校外学習

NJ校の取組・教員の意識変化

日々、授業や学校行事を通じて「グローバル人材の育成」に関わる教育活動を実践しています。在外教育施設の強みを活かし、世界を舞台に活躍する人材となるため、子どもたちに何を仕掛け、気付かせ、取り組ませるかを考えながら教育プログラムの開発に努めています。本校が掲げる「グローバル人材」とは、①主体性・責任感、②協働性・協調性を兼ね備え、③語学力・コミュニケーション力を身に付けた、④持続可能な社会づくり・多文化共生への理解・貢献をめざす児童生徒です。

その育成を目指し昨年度は、学校行事と学習の関連を検証すべく3回の研究授業を行いました。第1回は、中等部のワシントンD.C.宿泊学習。今回は4年に一度の大統領選とも重なったため、アメリカの政治・歴史を歴代大統領の業績を通じて探究的な学習を進めました。第2回は、初等部フィラデルフィア宿泊学習。アメリカ独立の歴史に関わりの深い名所・旧跡を中心に、協働的・主体的な学習を行いました。第3回は、メキシコにあるグアナファト日本人学校とのオンライン授業。初等部3年生は、自国の名所や学校の様子をクイズ形式で紹介し合い、交流を深めました。

3回の研究授業で見えてきた課題は、①行事・指導内容が育成すべき資質のどの項目と一致するのか狙いを明確にすること、②より焦点化した取組を進めることで、子どもたちの変化を「見える化」すること、③その成果をまとめ、世界の日本人学校にNJモデルとして発信することなどです。

ニュージャージー校の教員は、子どもたちが笑顔になるよう日々努力すると共に、学校行事と学習の関連を意識した教育プログラム開発を行っています。今後はさらに体験的な取組を通じて研究を深化させ、子どもたち自身がグローバル資質獲得を実感できるよう教育活動を進めていきます。

英語学習

卒業生から

令和6年度卒業生 土田陽仁

私がニュージャージー日本人学校で過ごした3年間は、日本と海外の架け橋となるような貴重な時間でした。現在は高校の新たな環境のなかで学校生活を送っていますが、日本人学校での経験が今の自分に大きく影響を与えていると感じています。

日本人学校で特に印象に残っているのは、行事を通じて築いたクラスメイトとの絆です。ニュージャージー日本人学校は、児童生徒数が多くないため皆大変仲が良く、「NJ Family」と呼ばれるほどです。運動会やメイプル祭、移動教室など、日本の学校と同じような行事もたくさんあり、その度に仲間と協力し合い、距離が縮まります。私のいちばんの思い出はメイプル祭(文化祭)で、クラス全員で意見を出し合い英語の落語を作り上げたことです。意見の違いに悩むこともありましたが、最終的に皆で協力して成功させたときの感動は、今でも忘れることができません。こうした数々の経験を通じて仲間との強い絆を築くことができました。

一方で、日本人学校ならではの環境に戸惑うこともありました。少人数であるため、同級生とは家族のように仲が良かったが、価値観の違う人と関わる機会は限られていました。また日本的な「協調性」を重んじる場面が多く、個人の意見を積極的に主張するアメリカの文化とも異なっていました。現地校での経験もあった私は、この違いに最初は戸惑うこともありましたが、そのおかげで「協調性」と「個の主張」のバランスを取る大切さを学び、場面に応じて柔軟に対応する力を身に付けることができたと思います。

現在通っている高校は帰国生も多く、海外からの短期留学生の受け入れ校でもあり、非常に国際的です。授業ではディスカッションや発表の機会が多く、主体的な学びも求められます。そういった場面で私は日本人学校で培った「周囲との調和を大切にする姿勢」と、アメリカで学んだ「自分の意見をしっかり伝える力」の両方を活かすことで、より良いコミュニケーションが取れるようになったと感じています。英語を使う機会も多いため、日本人学校時代に、現地の友人と交流しながら磨いた語学力も役立っています。

ニュージャージー日本人学校での3年間は、単なる「海外での学校生活」ではなく、自分の価値観や考え方を深める大切な時間でした。そしてあの環境でしか学ぶことができないこともたくさんありました。それらの貴重な経験を忘れず、これからも新しいことに挑戦し続けていきたいです。

生徒の保護者から

4月から長女が中学3年生、次女が中学1年生のタイミングで渡米しました。長女は中高一貫校に通っていたので1年間だけアメリカで過ごし、高校生になるタイミングで元の学校に戻ることにしました。日本人学校に通った場合は高校の編入試験を受けてそのまま高校1年生となれますが、現地校に通った場合は「カリキュラム不足のため中学3年生の編入試験を受けて中学3年生からのスタートになる」と学校に言われたのでニュージャージー日本人学校を選びました。また、次女も高校は日本の高校への進学を考えていたので、同じ学校に通わせることにしました。

全学年で一緒に取り組む行事も多く生徒は仲良しです。先生方も担当学年だけでなく児童生徒全員をみてくださっており明るい雰囲気の学校です。児童生徒数が少ないため常に全員が日本語と英語での発表の機会に恵まれます。日本と同じ教育を受けることができ、英語力も伸ばすことができる日本人学校に入学させて良かったです。

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Tel 201-405-0888
117-B Franklin Ave, Oakland, NJ 07436
https://newjerseyjapaneseschool.org/

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