今回は、いつもとは趣(おもむき)が違う記事を配信したい。経済、投資、政治、国際関係などの情報を知りたい方には申し訳ないが、タイトルにあるように、トランプ政権の女性閣僚の話である。
トランプには、セックス強要、性暴力行為で起訴され、民事訴訟で敗訴したという歴史がある。また、3度、結婚・離婚し、その間に数々のセックススキャンダルを起こしてきている。
つまり、トランプは、女性蔑視発言をするにもかかわらず、根っからの“女好き”である。
そのため、自分の政権に、ブロンドの美女を集めた。“ビッグボス”の人気は、関税乱発で落ちているが、彼女たちの人気は高まる一方となっている。
歴代最年少のブロンド美人報道官★キャロライン・リービット(27)
トランプ政権でいちばん目立つのは、なんと言っても、歴代最年少の27歳で大統領報道官に就任したキャロライン・クレア・リービットだ。
大統領報道官は閣僚(cabinet member)ではないが、準閣僚クラスの役職で、大統領の言葉と行動をメディアに説明する重要な役割を担っている。そんなポジションに、まだ大学を出て4年目の女性が就任したのだから、メディアも国民も驚いた。
しかし、リービットはトランプの就任以来、メディアの前で堂々と会見に臨み、テキパキと仕事をこなしてきた。そうしながら、ときどきブロンドヘアに手をやる仕草が、ソーシャルメディアで人気を呼んでいる。
「ブロンド美女(ビューティブロンド)」というと、キャラクターは「天然ボケ」「ドジ」というのがお決まり(旧来の価値観)だが、彼女はそうではなかった。
フランス人EU議員のアメリカ批判を一撃
リービットは、たとえそれが間違っていようと、堂々と自分の言葉で受け答えする。
その一例として、驚かされたのが、3月16日の会見で、フランス選出のEU議員グリュックスマンが、トランプについて「(米国人が)暴君を支持することを選んだ。アメリカは自由の女神像を返還しろ」と批判したことに対して、こう言ったことだ。
「フランス人がいま、ドイツ語を話していないのはアメリカのおかげですよ」
要するに、海の向こうからヤンキーがやって来てドイツ軍と戦わなかったら、フランスはドイツに占領されたままではないかということ。第2次大戦の教訓話である。
これは、アメリカ人がヨーロッパ人をクサすときによく使う手で、このケースで適切な返答かどうかはともかく、鮮やかな返しであることは間違いなかった。
しかし、グリュックスマンの方が1枚上手だった。こうやり返したのだ。
「当時のアメリカは、ヨーロッパのため、自由と民主主義のために独裁者と戦ったのだ。米軍が多大の犠牲を払ってノルマンディに上陸してくれなかったら、私はこの世に存在していなかったかもしれない。独裁者と戦った自由の国アメリカはどこに行ったのか?」
「TikTok」で「MAGAビューティ」がバズる
トランプ政権の女性閣僚、女性スタッフたちの人気は高い。ソーシャルメディアでは、毎日のように多くの投稿がある。とくに、キャロライン・リービットのような典型的なブロンド美人は、「TikTok」( ティックトック)では、いつしか「MAGAビューティ」「MAGAセクシー」などと呼ばれるようになり、ことあるごとにバズるようになった。
「MAGA」(マガ)は、もちろん「Make America Great Again」のことだ。
ただし、「MAGAビューティ」などの言葉は、意味そのままの褒め言葉ではない。なぜなら「MAGAメーク」という言葉もあり、これは、ブロンドのロングヘアに濃ゆい眉とはっきりしたアイメーク、薄化粧を指す。すなわち、古臭い80年代のメークとされ、日本語にすれば「ダサい」と言っているのだ。
リービット報道官の後ろには、いつも2人の女性の副報道官の姿ある。彼女たちもまた、白人のブロンド美人、「MAGAビューティ」だが、民主党支持の「Woke」(ウォーク:意識高い系)たちは、彼女たちを「古臭い」「時代遅れ女」と皮肉っている。
この続きは5月15日(木)発行の本紙(メルマガ・アプリ・ウェブサイト)に掲載します。
※本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。

山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。
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