2025年6月10日 NEWS DAILY CONTENTS

NYで人気の独立系書店「ストランド」に3つ目の常設店、カフェ併設で7月にオープン予定

ニューヨークの老舗書店ストランド・ブックストアが、アッパー・ウエスト・サイドに新店舗を7月にオープンする。

ユニオン・スクエア近くの本店(photo: Ajay Suresh from New York, NY, USA – Strand Bookstore, CC BY 2.0)

閉店が決まったシェイクスピア・アンド・カンパニー(Shakespeare & Co.)の跡地を引き継ぎ、7月初旬のグランドオープンに向けて現在改装中の新店舗。ブルックリン・ロースティング・カンパニー(Brooklyn Roasting Company)のコーヒーを提供するカフェも併設される予定だ。

今回の新店舗は、ユニオン・スクエア近くの本店(828 Broadway)、コロンバス・アベニュー店(450 Columbus Ave.)に続く3つ目の常設店舗となる。このほかに、セントラルパーク内やラガーディア空港のキオスクもあり、さらにニューヨークで存在感を強めている。

ストランド・ブックストアは、1927年に創業された家族経営の独立系書店で、現在は創業者の孫にあたるナンシー・バス・ワイデン(Nancy Bass Wyden)がオーナーを務めている。「18マイル・オブ・ブックス(18 Miles of Books)」(全ての本棚を合計すると約29km)という同店のキャッチフレーズからもわかるように、新刊・古書・希少本を問わず圧倒的な品揃えと目利きの選書で多くの読書家から愛されてきた。また、オリジナルグッズの人気も高い。特にトートバッグは様々な種類があり、お土産にも人気だ。

実はニューヨークでは、こうした独立系書店が近年ますます人気を集めている。背景には、ネット書店や大型チェーン店に対する反動として、「地域に根ざした空間」や「店主のセンスが光る選書」に価値を見出す文化がある。書店は単に本を買う場所ではなく、読書会やイベントを通じて人々の交流の場となっており、街の知的アイデンティティを支える存在となっている。

今回の新店舗では、これまでシェイクスピア・アンド・カンパニーで働いていたスタッフ全員が引き続き雇用される予定で、地域とのつながりも継続される。2027年には創業100周年を迎えるストランドは、これからもニューヨークの文化と読書の中心であり続けるだろう。

The Strand at Lincoln Center

住所
2020 Broadway (btw. 69th and 70th St.)
オープン予定
2025年7月初旬

                       
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