カリフォルニア州ロサンゼルスにある音楽専門の博物館、グラミー博物館(GRAMMY Museum)と、コネティカット州ニューヘイブンの公立校が協力し、教師向けのアート教育研修「Creators’ Classroom – Student Spark」を始動。講師陣には実践現場に近いアーティストが並び、時代に合ったアート授業の再構築を目指す。ニューヘイブンの新聞、ニューヘイブンレジスター22日、伝えた。

ニューヘイブンで長年アートを教えてきた教師、パトリック・W・スミスさんは、従来のアート授業は現代の子どもたちにとって「50年前のやり方」だと指摘。特に郊外では、「教師自身が現代音楽やツールに疎く、生徒の興味を引きにくい授業になってしまっていた」と振り返る。
◆ 「生きた芸術」を学ぶ機会に
研修プログラムでは、教師たちが実際のアーティストから「生きた芸術」を学ぶ。講師もグラミー賞受賞者やミュージシャン、作曲家、ダンサー、劇場関係者まで多彩。ワークショップも音楽制作、作詞、ショービジネス、視覚芸術、創作舞踊など多岐にわたり、現状からかけ離れた「教科書中心」の授業から生徒の興味を引き出す「体験型・現在型」の授業への転換を目指す。
スミスさんは、この研修を州内外に展開し、アート教育の全米的モデルにしたいと熱望している。「音楽教育のあり方を変えるんです。子どもたちがみんな『グラミー賞を受賞できる可能性がある』と感じられるように」
昔ながらのアート教育は、「教える側が安心できる内容」になりがちだった。しかし今回のように、実践に直結したアーティストとの対話と体験を通じて、教師自身が刺激を受ける機会を設けることが、「アート授業の革新につながる」とスミスさんは考えている。
編集部のつぶやき
アートの授業も、やはり「進化と変化」が必要なんですね。こちらの取り組みは、以下の3つの視点からも、非常に面白いと思います。
1. 最前線のアーティストによる直接指導
教師が「教える側」ではなく、まず「学ぶ側」に立ち、最新の表現や文化に触れる設計になっている。
2. 多様な芸術形式の導入
音楽だけでなく創作・視覚・演劇などを横断的に学ぶことで、教師の視野と引き出しを広げる。
3. 現代的な教材とテクノロジーの活用
音楽制作やパフォーマンス技術といった、実践的で現場になじむ内容が中心。
これらの要素により、生徒にとって授業がよりなじみやすく実践的なものとなり、モチベーションや参加意欲も向上するように思います。
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