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ニューヨーク市のアダムズ市長は17日、観光用馬車を禁止する法案「Ryder’s Law」に賛成を表明、市議会に対し可決するよう訴えた。廃止の動きが加速しそうだ。ニューヨークタイムズが同日、伝えた。

セントラルパークの馬車は19世紀から観光客のアトラクションとして親しまれてきた。現在、登録済みの馬車馬は183頭。免許を持つ御者は231人だ。20分の初乗りが72.22ドル。10分ごとに28.89ドルが加算される。
「動物虐待」との声も高まっている。アダムズ氏も「動物福祉に疑問を呈するような事件が相次いでおり、歩行者やサイクリスト、ドライバーだけでなく御者の安全にも懸念がある」と指摘している。2022年には、この法案の名前の由来となった馬、ライダーが死亡。この8月にもレディーという馬が路上で急死。先月にはバンビという馬が御者なしに暴走し、乗客3人が飛び降りて難を逃れた。アダムズ氏は「長年人気を博してきたが、昨今のアーバンライフとは共存できなくなりつつある」と結論付けている。
同法案が市議会に提案されたのは24年6月。成立すれば来年6月から発効する。セントラルパークを運営する非営利団体セントラルパークコンサーバンシーは既に禁止に賛成。動物愛護団体も「動物だけでなく、人間の命も守るステップ」とアダムズ氏の姿勢を評価している。
一方で反対する市議会議員もおり、「アダムズ氏は市長選挙を有利にしたいだけ」と批判。御者組合も「完全な裏切り行為。厩舎のあるウエストサイドのディベロッパーに魂を売った」と反発している。
デブラシオ前市長が禁止を公約にしたものの、実現できなかったとの経緯もある。他の市長候補では、マムダニ氏とスリワ氏(共和)が禁止に賛成。クオモ氏は態度を明らかにしていない。
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