2025年9月30日 NEWS DAILY CONTENTS 教育レポート

性自認に応じた “トイレ利用” 巡りNYで議論、市長発言に反発の声「男子生徒が女子生徒のシャワー室に…」

写真はイメージ(photo: Unsplash / Danielle-Claude Bélanger)

ニューヨーク市のエリック・アダムス市長が、トランスジェンダーの生徒が自認する性別に応じてトイレを利用できる現行の方針に異議を唱え、議論を呼んでいる。ニューヨークポストが25日、伝えた。

写真はイメージ(photo: Unsplash / Danielle-Claude Bélanger)

教育局の規定では性自認に応じることが「必須」

アダムス市長は記者団に対し「男子生徒が女子生徒のシャワー室に入ることを認めるのは安全ではない」と強調し、近く方針を見直す可能性を示唆。一方、市教育局(DOE)のメリッサ・アビレス=ラモス局長はポッドキャスト番組で「(性自認に応じた)方針は今後も維持する。ニューヨーク市公立学校の価値観の一部である」と述べ、変更する意向がないことを明言した。

DOEの規定では、生徒は自認する性別に基づき学校のトイレや更衣室などの施設を利用することが「必須」とされている。アビレス=ラモス氏は、同規定が州法に準拠していると説明しているが、市長は「市長として変更できる権限があるかどうか検討している」と述べている。

トランスジェンダー包括政策に反対するトランプ政権

方針見直しの背景には、連邦教育省が市のトランスジェンダー包摂政策を「他の生徒の権利侵害にあたる可能性がある」と警告し、数百万ドル規模の教育資金の凍結をちらつかせたことにある。トランプ氏に忖度するアダムズ氏だが、市当局は「トランプ政権が気に入らない政策を変えさせるために、子どもの教育資金を人質にしている」と強く反発。

市庁舎は、アダムス市長とDOEの間に意見の相違はあるものの「行政は単一の意見で成り立つものではなく、議論はむしろ強みだ」と説明。最終的には「法律を順守しつつ、生徒の安全と尊厳を守る」との点で両者は一致していると強調した。DOEの広報担当者も「全ての生徒が安全で尊重され、安心できる場を提供し続ける」とコメントしている。

                       
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