2025年10月2日 COMMUNITY 教育レポート

避難訓練・黙祷集会と自由研究発表会を実施 NY育英学園サタデースクールNJ校

ニューヨーク育英学園サタデースクール・ニュージャージー校(半場綾子ディレクター)は9月6日、2学期の開始に合わせて全園児・児童を対象に避難訓練と黙祷集会を実施した。2001年9月11日に発生した同時多発テロ事件を忘れず、子どもたち一人一人の心に記憶として残し、次世代へと語り継ぐための取り組み。

厳かな雰囲気の中で黙祷を捧げた

火災を想定した避難訓練で子どもたちは、教職員の指示に従って校舎を離れ、集合場所のバスケットコートへ移動。本校は週末校のため、普段こうした訓練を定期的に実施していないが、子どもたちにとっては新鮮で緊張感のある体験となった。皆が真剣な表情で整列し、落ち着いて点呼を受ける姿が印象的だった。

続く黙祷集会では、全校生徒が静かに頭を垂れ、9/11の犠牲者を悼む1分間の祈りを捧げた。静寂に包まれたバスケットコートで過ごしたひとときは、子どもたちにとって平和の尊さを実感する貴重な時間となった。

この日はまた、小学部の恒例行事「夏の自由研究発表会」も開催。各学年から選ばれた代表が全校生徒の前で、おかしやラジコンカーの研究など多彩なテーマを披露。子どもたちは互いの発表に熱心に耳を傾けていた。

中でも子どもたちの目を釘付けにしたのは、4年生の石原大士君による発表「脳がだまされる色んな錯視(さくし)とは?」。石原君は図を使い、同じ形や色でも脳が誤って認識してしまう“錯視”の不思議を紹介。同じ長さでも異なった長さに見える図や、同じ色が異なって見える例を示すと、子どもたちからは「すごい!」「本当に違って見える!」と驚きの声が上がった。科学的な視点で身近な不思議を解き明かそうとする姿勢は、低学年の子どもにとっても大きな刺激となった。

発表会を通じて、子どもたちは学年を超えて知識を共有し、新しい興味や視点を得ることができた。同校では、学びの成果を広く共有し、互いの探究心を高め合うために研究内容を校内に掲示。同じ校舎を利用しているインターナショナルスクールやサンデースクールの子どもも自由に閲覧できるようにしている。(情報・写真提供:ニューヨーク育英学園サタデースクール・ニュージャージー校)

錯視についての発表をする石原君(右)
大型モニターに投影しながらの研究発表
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