2025年10月31日 NEWS DAILY CONTENTS お得情報

【保存版】アメリカの学校で役立つ!日本人保護者のための「保護者面談」ガイド(質問&マナー集)

ハロウィンが終わると、ほとんどの学校では保護者面談が始まる

保護者面談(Parent-Teacher Conference)は、教師と保護者が協力して子どもの学びと成長をサポートする大切な時間だ。限られた時間を有効に使うために、あらかじめ質問を考えておくとよいだろう。ここでは、アメリカの学校で実際によく聞かれる質問と、教師との信頼関係を築く一助となる質問を紹介する。

写真はイメージ(photo: Unsplash / Amy Hirschi)

アメリカの学校での保護者面談(Parent-Teacher Conference)の時期

1)秋〜新学年度開始後の教師と保護者の顔合わせ

アメリカの多くの学校(東部)では、9月の新学年度開始から1〜2カ月後に最初の保護者面談が実施される。

目的: 新学年度が始まり、教師が子どもの学習態度や性格、クラスでの様子を把握し始めるタイミングで保護者と情報を共有するのが目的。学期初めの成績や学習態度、友人関係やクラスへの適応、学習上の課題や支援の必要性が主なテーマとなる。

時期:10月下旬〜11月初旬(「Fall Conference」と呼ばれる)。一部の学校では10月中旬に「Parent-Teacher Week」を設けて集中的に実施する場合もある。

2) 春〜学年進捗の確認と次年度の準備

学年の後半にも、もう一度面談を実施する学校が多い。

目的: 学年末に向けて学習の進み具合を確認し、次の学年への準備や改善点を話し合う。この時期には、これまでの成果や伸びた部分、今後の課題、サポートの提案、夏休み中の学習や進学準備などがテーマとなる。

時期:2月下旬〜3月頃(「Spring Conference」と呼ばれる。春休み前)

3) 必要に応じて(随時)

子どもが学習面や行動面で課題を抱えている場合、教師やカウンセラーが、保護者に個別面談を提案することもある。保護者からリクエストも可能。

*小学校までは保護者面談が必須だが、中学校からは希望者のみとなる。教師からの要請で行われる場合もあり、その場合は学校によって異なる。

面談の形式と所要時間

形式: 対面(In-person)/ オンライン(Zoom, Google Meetなど)/ 電話など多様

時間: 通常 15〜20分程度(短く効率的に)

開催時間: 通常授業後の放課後、または授業を半日にして、午後を「Conference Day」に設定することもある。

ハロウィンが終わると、ほとんどの学校では保護者面談が始まる

質問の内容

学業(Academic Progress)について

1)授業の理解度は?クラスのペースについていけているか?授業中の集中力や態度は?
2)どの教科が得意/苦手か?
3)成績を上げるために、家庭でできるサポートは?

クラスでの行動・社会性(Behavior & Social Skills)

4)クラスメートとの関係は良好か?グループ活動やチームワークにもなじんでいるか?
5)教室でのルールを守れているか?気になる行動や変化はあるか?
6)クラスメートの間でのトラブルがあるか?あった場合は、どのようなもので、学校側はどのように対応したか?

学習スタイル・個性(Learning Style & Strengths)

7)特に興味を持っている分野や活動はあるか?
8)成績以外で注目している成長のサインはあるか?
9)自己肯定感を高めるために外部に相談が必要な部分はあるか?

家庭との連携(Home-School Connection)

10)教師への連絡は、どのような方法(メール、電話、テキストメッセージ)がよいか?また、どの時間帯(授業前、放課後)が適切か?
11)学校での出来事を家庭で、どのようにフォローすればよいか?家庭での勉強習慣の付け方は?
12)保護者がボランティアとして参加できる活動はあるか?今後の学期や行事で知っておくべきこと、手伝いができることはあるか?

今後の目標とサポート(Goals & Support)

13)今年度のクラスの目標は何か?目標達成のために家庭で協力できることは?
14)子どものサポートのために、学校内やコミュニティーで利用できるサービス(学習支援、カウンセリングなど)はあるか?
15)今後の進路や次の学年に向けて、準備しておくことはあるか?

まとめ:面談を「会話の場」に

リストには多くの質問があるが、実際の面談では時間が極めて限られているので、教師の話を聞くだけで終わってしまうことが多々ある。ただ、気になることや心配事がある場合は、必ず教師に相談することが大切だ 。そのためにも、教師への適切な連絡方法を聞いておき、後日、直接相談できるような関係を作れるようにしておきたい。教師のやり方に納得できないことがあっても、すぐに文句を言うのではなく、まずは教師の指導方法を尊重し、協力する姿勢を示すことが大切だ。

また、面談時に、教師へのプレゼントを持っていく人もいるが、基本的には避けた方が賢明。特に現金や高価なものはNGだ。それでも「(お世話になっている)先生のために何か持っていきたい」と思う場合は、ちょっとしたお菓子などのスナックを差し入れとして渡す程度にしておこう。

保護者が子どもを連れて面談に来ることもあるが、(特に子どもがまだ小さく、預ける場所がない場合など)、スムーズに面談を行うためには、できるだけ子どもは連れて行かない方がよい。もし預ける場所がない場合は、順番を待っている他の保護者に面談の間だけ見てもらうようお願いしてみるのも一案だ。

保護者面談は、子どもの評価を聞くだけの場ではなく、教師と保護者が一緒に子どもの未来を考える時間。質問を通して、お互いに同じ目標を共有し、子どもが安心して成長できる環境を一緒につくっていける時間にするのが理想だ。

文・写真(一部)/Miki Takeda

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