ニューヨーカーは列に並ぶことを厭わない。レストラン予約システム・オープンテーブルの最新の調査によれば、ニューヨーク市内のレストランの待ち時間は57分と全米で最長。サンフランシスコは34分とかなり忍耐力が低く、マイアミとシカゴは35分で同率、忍耐強いことで有名なロサンゼルスでさえ44分が限界だ。しかしニューヨーカーは喜んで1時間近くも立ち続ける。並外れて熱心なのか、あるいは少し狂っているのか…。タイムアウトNYが21日、伝えた。

理由は外食の増加にある。前年比で8%増。特に午後4〜5時の早めの夕食は13%増だ。「空席通知」のアラートも84%増えた。当然ながら、このボタンを連打する人数ではニューヨークが全米トップだ。グループ利用は11%増。テーブルは不足しており、予約は瞬時に埋まる状況だ。
ニューヨーカーは特にバリューがあると判断すると耐えて待つ。SNSでホットな店として紹介されて、行列は長くなる。通行妨害、騒音、喧嘩。市内のあちこちで、トラブルも発生する。
行列の実態を伝えたニューヨークタイムズの記事によれば、ウエストトビレッジのApollo Bagelsは行列が近隣の商売の邪魔になるとして、家主から立ち退きを迫られた。イーストビレッジのMary O’s Irish Soda Bread Shopでは手作りジャム付きスコーンを目当てに長蛇の列。イラついた近隣住民が水を浴びせる事件が発生した。ブルックリンはパークスロープのイスラエル料理店Miriamはアパートビルの一角にあるため、住民から出入りしにくいとの苦情が。週末の開店時間を午前10時から1時間早めたら、行列は短くなったという。グリーンポイントのRadio BakeryもSNSの常連だ。朝から4分の1マイルほどの列ができる。「近所迷惑にならないように気配りを」との張り紙がある。
同じくグリーンポイントのChrissy’s Pizzaも行列ができて、店の前のシティバイクの駐輪場が使えない。中には自転車に乗って順番待ちしたり、その場でピザを食べる人もいるという。オーナーのクリス・ハンセルさんは「小さい店だから、外で待ってもらうことになる」と肩をすくめた。
Miriamのそばに住む、サンピエールさんは家賃が手頃でパークスロープの雰囲気も気に入っているため、3年間行列に耐えてきた。「(行列は)引っ越すほどのことではない」とサンピエールさん。ニューヨークの“定番”であるネズミに例えてこうつぶやいた。「アパートでネズミを見つけたら、それと共に生きる術を学ぶんだ」
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