UWSのホームレスを金融街のホテルへ　 近隣住民が移動禁止求め市を提訴

　新型コロナウイルスの感染拡大防止対策としてマンハッタン区のアッパーウエストサイドのホテルに送ったホームレスたちを、ローワーマンハッタンのホテルへ移すという計画の中止を求め、ローワーマンハッタンの住人グループ「ダウンタウンニューヨーカーズ社」が、ニューヨーク州高位裁判所にニューヨーク市を提訴した。ゴッサミストが14日、報じた。
　市は５月から、社会的距離を保つのが困難なホームレスシェルターから、ホームレスを一時的にアッパーウエストサイドのホテルに移した。しかし、ホームレスの素行が問題となり、地域団体および住民から、法的措置を講じると迫られた市は、同地域のルツェルンホテルに泊まっていたホームレスを来週、ローワーマンハッタンのウイリアムス通り52番地のラディソンホテルに移動する計画を立てた。
　これを受け同社は、ホームレスサービス局と市ホテル協会との、ホテルをシェルターとして使用するための契約が終了したため、市が移動を進めることは許可するべきではないと主張。また、「UWSの抗議に対する逃げ道だ」と批判している。またラディソンホテルの近くには学校があり、周辺道路は狭く混雑していることから、更なる安全性への対策や検討が必要なことや、同地域で現在、すでにシェルターとして利用されているホテル周辺の道路や公園で、ホームレスによる薬物の使用や公然わいせつ、徘徊の顕著な増加がみられていることも指摘されている。