11月3日の米中間選挙で、民主党が連邦議会の上下両院で多数派を奪還した。在米日本人の暮らしや仕事には、どのような影響があるのだろうか。関税・健康保険・移民政策・銃規制の4つの分野で、今後の見通しと実現への課題を見てみよう。

ワシントンD.C.の米連邦議会議事堂。新議会での政策論議が、在米日本人の暮らしや仕事にも関わってくる。写真はイメージ(photo: Unsplash / Stephen Walker)

1. 関税は下がる?

日本から食品や日用品を輸入する企業や、日本の商品を買う人にとって、関税の行方は気になるところだ。

ブルームバーグ・ローによると、民主党は関税の撤回や、新たな関税を課す大統領の権限を制限する取り組みを強めるとみられる。議会で多数派となることで、関連法案の採決や、政権に説明を求める公聴会を進めやすくなる。

大統領には法案への拒否権もあり、関税の撤廃は容易ではない。今回の選挙結果だけで、日本からの輸入品がすぐに安くなるわけではない。

2. 健康保険の負担は?

ABCニュースによると、民主党は、医療保険制度改革法(ACA)に基づく保険料補助の上乗せ分の復活や、低所得者向け公的医療保険「メディケイド」の予算削減の見直しを優先課題に挙げている。

保険料補助の上乗せ分は2025年末に失効した。復活すれば、公的な保険加入サイトを通じて個人・家族向けの保険に加入し、所得などの条件を満たす人の保険料負担が軽くなる可能性がある。

補助が復活するかどうかや、対象・金額・実施時期は、今後の議会審議や政権との交渉次第だ。

3. ICEの取り締まりは変わる?

民主党は、移民・税関捜査局(ICE)の活動についても監視を強める構えだ。職員の訓練や取り締まり予算の使い道、収容施設の契約などが調査対象として挙がっている。

議会がICEに説明を求める動きは強まりそうだが、監視の強化と、ビザや永住権の取得条件の緩和は別の問題だ。

4. 銃規制は進む?

民主党は銃による被害を減らすため、購入者の犯罪歴などの確認強化や、一部の半自動小銃などの規制を支持している。議会で多数派となることで、関連法案の審議を進めやすくなる可能性がある。

規制が憲法に違反しないかを巡る裁判もあり、実現には課題が残る。

新議会の発足は2027年1月3日。民主党が政策を動かす力は増すが、実現には議会内の合意や政権との交渉が必要になる。