活動先細りの「ウォール街を占領せよ」 勃発1周年に大規模デモ計画

 ニューヨーク市のウォール街で昨年9月に勃発した反格差社会デモ「ウォール街を占領せよ(OWS)」の運営団体が結集1周年を迎える17日、証券取引を混乱させる目的でニューヨーク証券取引所をとり囲むなど、ダウンタウン金融街で「S17」と呼ばれる大規模デモを計画していることが分かった。週末にはコンサートや公開講義の実施も予定しているが、運営側は最近の市民の活力の低下を懸念しているようだ。

 OWSのニューヨーク市内での会合は、メンバーらの内乱や出席者数の激減により、4月から中断されている。また、グループ基金は保釈金を確保するために凍結しており、活動に支障が出ているという。

 主要メンバーのトラヴィス・ムシェットさん(26歳)は、最近メンバーたちの活力や仲間意識を維持するのが難しく、活動の先細りを嘆く。また、主宰のカランジャ・ガクカさんは「一時は世界各地にまで運動が広がるなど市民にとって最も身近な社会問題だったのに、11月の大統領選挙が近付くとメディアの焦点はそちらに偏ってしまった」ため、17日のデモにどれだけの市民が集まるか想像できないと話す。

 しかし、メンバーのダナ・バリッキさんは「最後のメンバーが止めると言うまで活動は続ける」とデモ続投の意を表明している。

 OWSによると、今回のデモでは学生ローンを含む負債、住宅問題、移民および環境問題などを中心に、歪んだ資本主義システムの立て直しを訴えるという。