メトロカード詐欺の被害拡大 駅員不在の駅に要注意

駅員がいない小さな駅が狙われることが多いという(photo: Hamaoka)


 ニューヨーク州都市交通局(MTA)はこのほど、地下鉄の運賃支払いの際に使われるメトロカードをめぐる詐欺事件が横行しているとして、市民に注意を呼び掛けている。
 犯行は複数のメンバーで行われている模様。詐欺グループの手口は悪質で、まず1カ月乗り放題のメトロカードを大量に購入し、次にカード販売機を破壊して機械を使用不能にする。その後、カードの新規購入などができない乗客をグループのメンバーが改札口で待ち受け、手持ちのカードをスワイプし乗客を通して2ドルを請求する—というもの。
 MTAでは市議会議員ロバート・ジャクソン氏の要請を受け、昨年実態調査を行った。それによると、例えば地下鉄A線西181丁目駅で、昨年度5カ月間の調査期間中に販売機が正常な状態にあったのは全体で55.8%とかなり低いものだった。同駅はMTAの人員削減の影響を受け係員が不在だが、道路の反対側にある別の改札口には常時係員がおり、こちら側の販売機の稼働率は90%と極めて高かった。
 こうした事態を受け、MTAでは係員不在の駅が狙われているのは明らかであるとして、警察の捜査に協力するため特に被害の多かった10駅に防犯カメラを設置するとしている。
 5カ月の調査期間中にMTAに寄せられた販売機修理の要請は474件で、うち359件は破壊行動によるものと考えられている。