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ニューヨーク市警察庁(NYPD)が市内にあるすべてのモスク(イスラム教礼拝所)を「テロ組織」と位置づけ、潜入捜査や監視活動を行っていたことが、内部文書の暴露により明らかになった。AP通信が伝えた。
極秘文書によれば、NYPDは2001年の米中枢同時テロ以降、複数のモスクを対象としたテロ組織の捜査を継続して実施してきた。捜査は、犯罪行為を示す特定の証拠がないまま進められることがほとんどだったという。
文書の中には、NYPDが内部情報提供者を確保するために、複数のモスクの幹部層におとり捜査官を潜入させていたことを示すものもある。また同様のテロ組織捜査の対象として、アラブ系移民のための社会事業団体など、宗教団体以外の組織も含まれていたとされる。
文書を入手したとするAP通信の記者2人は、極秘文書の内容の他にNYPD職員らへのインタビューを収録した書籍「国内の敵 NYPD秘密諜報ユニットとビンラディン最後の対米作戦(原題:
”Enemies Within: Inside the NYPD’s Secret Spying Unit and Bin Laden’s Final Plot Against America”)」をこのほど出版。職務質問捜査の「ストップ・アンド・フリスク」で人種偏見に基づいた捜査を行っているとして違憲判決を受けたばかりのNYPDにとって、捜査方針への批判が相次いで向けられたことになる。
ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長はこれについて、「NYPDは市民の安全を守るために活動しており、法律に準拠している」と弁護する立場を示している。
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