驚異的なブリザードが来るとの予想で電車も一部運行を休止、会社も軒並み休業となった今週のニューヨーク。溜まった仕事をしぶしぶ家で片付ける人も多いだろう。編集部D子も週に1回は自宅で仕事をする人間のひとりだが、米紙デイリーニュースで興味深い記事を見つけた。それによると、ハーバード・ビジネス・レビューの研究では、自宅で仕事をする人はオフィスで仕事をする人よりも、より生産的に仕事を進めているという。
【以下研究内容】
「従業員に在宅勤務をオファーした場合、コストと転職率を下げることができるか」という研究目標の下、ある中国系の旅行会社を仕事の条件はそれまでと同じで「在宅勤務グループ」と「オフィス勤務グループ」に分けた。結果、9カ月間で在宅グループの生産力が13%増と顕著。静かな環境で仕事に没頭し、休憩をあまり取らずに仕事を続けたことや病欠を取らなかったことが、この結果に繋がったと分析されている。一方、その間オフィスグループの生産力に変化はなかった。また、仕事のストレスによる疲労は在宅グループの方が50%も少なかった。さらに在宅グループは対照グループに比べ、より仕事に楽しさを感じた。
興味深いのが、実験後、会社が従業員全員に対し在宅勤務を提案した際、実験時に在宅グループに振り分けられた人の半分しかこれを受け入れなかった。これはオフィスグループの1/4ほどであり、自宅での仕事は孤独感が伴うという理由からだという。
さて、パソコン一つあればいつでもどこでも仕事ができてしまう昨今、ITやベンチャー企業などでは、自宅でもカフェでも好きな場所で仕事をすることが許されている、いわゆるノマド(遊牧民の意)ワーカーが増えている。そんな中、2013年にYahooのCEOマリッサ・メイヤー氏は在宅勤務禁止令を出し波紋を呼んだ。さまざまな憶測が流れたが、一部では、会社の体制や生産性の問題ではなく、本当に信頼できる従業員を見極めるため、などとも言われている。
オフィス勤務の人は、一度は「朝起きるのが辛い」「家でゆっくり仕事ができたらいいのに」と思ったことがあるだろう。しかし先の実験のように、実際に在宅勤務を経験すると人は「誰かと話したい」「静かすぎて寂しい」などと思うようだ。また〝人と顔を合わせること〟=〝人との出会い〟は自分の世界を広げてくれる。
個人の性格にもよるが、D子は在宅ワークは逆に気が散ってなかなか進まない。やはり、なまけものほどオフィスに出勤するということは重要だろう。例え遅刻しても(汗)。
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