切断した指の廃棄を指示 医師を拘置所の受刑者が提訴

 マンハッタン拘置所の受刑者が、事故で指を切断したにもかかわらず、適切な医療措置を直ちに受けられず切断部位を廃棄するよう医師から指示されたとして、医療過誤と公民権違反で医師と医療提供会社を1月に提訴したことが分かった。
 連邦裁判所に提出された訴状によると、ルドルフ・リチャードソンさんは、収監中の昨年6月4日、トイレ使用時に係官が誤ってドアを閉めたため左手中指を切断した。出血が多量であるにも関わらず10分間以上も放置された後、同拘置所担当のランディス・バーンズ医師は「手当のしようがないので、切断部は廃棄するように」と指示したといる。
 しかし、リチャードソンさんはこれを拒否し冷蔵保存を要求したため、同医師は“不本意ながら”これを受け入れたが、さらに手当の継続と被害届の提出を求めたところ係官に個室へ閉じ込められたと訴状は述べている。その後、ベルビュー病院で手当てを受け指の縫合手術を受けることができた。
 訴えに対し、バーンズ医師とコライゾン社は共に訴状内容を否定する声明を発表している。
 ニュースサイトのDNAインフォによると、同社はニューヨーク市の委託業者であるため医療訴訟を免責される立場にあるが、同様の訴訟を何件も起こされており、市議会では同社への委託を取り消すよう求める声が挙がっている。