ニューヨークでファッションデザインを学ぶことは世界中のデザイナーの卵たちにとっては憧れの的。米国を象徴するジーンズはついには学科となり、FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)では市の機関による奨学金のようなサポートで起業家を力強く後押ししています。
アメリカンカジュアルの枠を超え、今や高級レストランのドレスコードのルールさえもおびやかすジーンズ。今夏より米国初の試みとして大学講義に取り入れられています。バージニア・コモンウェルス大学でスタートした「ジーノロジー(ジーンズ学)」は、プレミアムジーンズブランドPRPS率いるドンワン・ハレル氏が教鞭を執る夏季集中講座。大学構内で行うジーンズ史、本場ニューヨークでのマーチャンダイジングとリテールの現場視察、ポルトガルにある同社生産拠点での試作、という3ステップ。「ファッションの学校ではパターンメイキングや立体裁断、デザイン理論に重点を置き、われわれ米国が作り上げたこの2兆円産業にまつわる教育は希薄なもの。20年以上この産業に携わり自身で学び得たことを、未来ある若ものたちに伝えたい」とハレル氏は目を輝かせ、学生から大きな反響を得ています。
一方、カルバン・クライン、マイケル・コースなどを輩出したファッションの名門、FITではニューヨークを拠点に活躍するデザイナー/起業家に対するMBAプログラムとしてDENYC(デザイン・アントレプレナー・ニューヨーク)が始動しています。今後の飛躍が期待される彼らの大きな成功を導くため、NYCEDC(ニューヨーク・シティー・エコノミック・デベロップメント・コーポレーション)がサポートし、実益の伴う質の高い指導が無償で提供されています。今年度ノミネートされたのは全25ブランド。日本人として唯一選ばれたハンドメイドのサンダルブランド、Sand by Sayaを率いる福田さやかさん、「学生時代と比べ、仕事を始めてからの学ぶ姿勢は全く違ったものです。デザイナーでありながら起業をすると、右脳でものを考えがち。この講座の素晴らしいところはビジネスを運営する上で必要なプランニングやEコマース、人事、法務から、エクセルの応用術まで、各界のプロがメンターとなり、いわゆる左脳の部分と合わせて学べることです」。終了時のプレゼンテーションの結果次第ではナント10万ドル、5万ドルの賞金を獲得することも。ファッション業界にみるスケールの大きさ、そしてチャンスが転がる街の面白さは、やっぱりここ、ニューヨークに詰まっています。
●Virginia Commonwealth University www.vcu.edu
●PRPS www.prpsjeans.com
●Design Entrepreneurs NYC www.designentrepreneursnyc.com
●NYCEDC www.nycedc.com
●Sand by Saya www.sandbysaya.com

フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
www.ayakomboo.com
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。
RECOMMENDED
-

客室乗務員が教える「本当に快適な座席」とは? プロが選ぶベストシートの理由
-

NYの「1日の生活費」が桁違い、普通に過ごして7万円…ローカル住人が検証
-

ベテラン客室乗務員が教える「機内での迷惑行為」、食事サービス中のヘッドホンにも注意?
-

パスポートは必ず手元に、飛行機の旅で「意外と多い落とし穴」をチェック
-

日本帰省マストバイ!NY在住者が選んだ「食品土産まとめ」、ご当地&調味料が人気
-

機内配布のブランケットは不衛生かも…キレイなものとの「見分け方」は? 客室乗務員はマイ毛布持参をおすすめ
-

白づくめの4000人がNYに集結、世界を席巻する「謎のピクニック」を知ってる?
-

長距離フライト、いつトイレに行くのがベスト? 客室乗務員がすすめる最適なタイミング
-

機内Wi-Fiが最も速い航空会社はどこ? 1位は「ハワイアン航空」、JALとANAは?
-

「安い日本」はもう終わり? 外国人観光客に迫る値上げラッシュ、テーマパークや富士山まで











