生産性を高めるため必要なこと 米国でも“し過ぎ”が増加

 8月が終わり9月に入ったが、「じゅう分な夏休みを取った」と思える人はどのくらいいるだろうか? 「日本人は働き過ぎ」というイメージは世界共通認識となりつつあるが、米国人の間でも〝ワーカホリック〟が増加しているという。
 米国内では、労働者の平均休暇日数は減少しており、あるインターネットでの調査では、有給休暇を消化しきれないという人が50%以上にものぼる。休暇取得を推進する団体、プロジェクト・タイム・オフが今夏に発表した報告書によると、休暇取得日数16日という数字は過去最低の数値であり、15年前は20日間だったという。さらに同団体は、休暇を取らずに働いている労働者の家族について、家庭生活が仕事の犠牲になる可能性があることは理解しているが、3分の1以上の家族は〝自分のパートナーや親が、休暇を取れない状況〟に不満を持っているとしている。
 出世欲が強い、仕事に熱中していて休暇を取りたくないといった人もいるが、休んだらクビになるのではと不安を抱えている人が多いのも現実。長期休暇を取ることに比べれば現実的なのは、日頃から〝自分だけのリフレッシュ方法〟を持ち、実践すること。ニューヨーカーのあいだでヨガやサイクリングなどのスポーツが人気なのは言うまでもないが、楽器の演奏、ダンスや演技を習う、はたまた陶芸をする人まで、リフレッシュする方法はたくさんある。「そんなことをしているあいだに仕事が1つ片付く」と感じる人もいるようだが、リフレッシュをした方が、仕事の生産性が上がると言う米国人経営者は少なくない。
 長時間労働は、時に深刻な影響を体にもたらすことも。ある研究結果によると、週に55時間以上働くと脳卒中を起こすリスクは33%、心臓病にかかるリスクは13%高くなるという。自分、そして周りの大切な人たちのためにも、リフレッシュもしくは休暇は取った方が良さそうだ。
 今からでも遅くない、「休めてないな〜」と思う人は少し遅めの夏休みを取ってみては。

romaneau