90年代の殺人事件、再審決定 25年間服役の後

 マンハッタン区のニューヨーク州高位裁判所のエドアルド・パドロ判事は6日、1990年に起きた殺人事件で有罪となり、25年間服役していた男性の再審請求を認める決定を下した。
 ジョン・ヒンカピー元受刑者(43)は、同年9月3日に西53丁目の地下鉄7番街駅のプラットホームで起きた、ユタ州から家族とともに全米オープンテニスを観戦するためにニューヨーク市を訪れていたブライアン・ワトキンスさん(当時22)が強盗に胸部を刺されて殺害された事件に関与していた容疑で、事件の翌日逮捕された。ヒンカピーさんは事件への関与を認めたため、重罪謀殺の罪で有罪判決を受け服役した。
 しかし、ヒンカピーさんは2013年11月、再審請求の申し立てを起こし、ことし2月から始まった聴聞において、取り調べの際に刑事から暴行を受け自白を強要されたと主張。また、3人の新しい証人が出廷し、事件当時ヒンカピーさんがプラットホームにいなかったことを証言していた。
 25年1カ月と3日間服役していたヒンカピーさんは模範囚で、服役中に修士号を修得しており、ことしから仮釈放申請が認められていたが、仮釈放委員会は再審請求の結果が出るまで決定を延期していた。
 再審の決定を受けたヒンカピーさんは泣き崩れ、傍聴席にいた家族は喜びをあらわにしたという。