子どもたちがティーンエイジャーになった今、私が一番恐れている言葉…。それは、どこで何をやっていても、娘の顔がいきなり接近してきたかと思った瞬間に発せられる、「ママ、セルフィー撮るね!」のひと言。
恐ろしいことに私の顔は、この言葉を聞くと条件反射のごとく、普通の顔からまぶしい太陽のような光り輝く笑顔に瞬時に変わってしまいます。そして娘と私の顔が並ぶより先に携帯電話のカメラが目の前に差し出され、セルフィーが撮られるのです。この時、「ちょっと待って、ママまだ用意できてない!」などという時間は、もちろんありません。よく撮れる時もありますが、そうでなければ撮り直し。そう、これが今の世代の子どもたちにとっては「普通のこと」なのです。
最近、ロンドンの歯科医院に関する記事を読みました。なんと、セルフィーを撮る人が増えるにつれ、歯科医を訪れる人数も増加しているそう。ロンドンの歯医者たちによれば、そういった患者の要望の一部は、前歯の真ん中2本をもう少し小さく短くして、「馬の歯みたいに見えなくして欲しい」というものだそうです。ただしセルフィーの問題点は、カメラがあまりにも近すぎて、少し歪んで写ってしまうこと。正面から撮ると、前歯の中2本が実際より少し突き出て大きめに見えてしまうので「馬の歯」のように見えることがあるのです。
もともと上の歯の真ん中2本は、両脇の歯より少しだけ幅が広く長いもの。笑ったときに見える前歯を中心とした美しい歯並びは、若々しい笑顔を助長するとされていますが、セルフィーだとカメラが近すぎて、どうしても真ん中の2本が強調されて写ってしまいます。
セルフィーは、写真ジャーナルやイベントの記念写真として使う分にはとても便利だけれど、それだけを見て歯を削ろうなんていう発想はおすすめできません。周りの人から見える自分というのは、ちょっと違って写っているかもしれないということをお忘れなく。
Waterside Dental Care
Dr. クララ・リーClara Lee, DDS
ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデントを経て、13年以上にも及ぶ臨床経験は、一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care医院長として古山医師と共に、多くの日本人患者を治療。Dentistryをこよなく愛している。
212-683-6260
www.watersidedds.com
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