米国は車社会です。どこへ行くにも車を運転するので、誰でも事故を起こす可能性はあります。都会に住んでいれば、乱暴な運転のタクシーや慣れない観光客の運転にぶつけられるかもしれません。
例え目に見える大けがをしていなくても、交通事故で身体はかなりの負担とダメージを受けています。多くの人は時速10マイル（約16キロメートル）程度の事故で、「車にほとんど傷もないから」と、自分の身体も大丈夫だと勘違いしています。交通事故で起こる症状は事故後、数日、数週間、そして数カ月、数年経ってからも出てきます。車をぶつけた、またはぶつけられた衝撃で背骨にズレが生じ、背骨を支えている筋肉にも大変な負担がかかっているのです。
２台の車がぶつかり合うということは、何トンもの勢いのある力が同時に車に乗っている人の首や背骨にもかかるということです。頭は首よりも重く、平均約10キログラム。それが細く負担のかかりやすい首に乗っかっているのです。
交通事故の代表的な後遺症の１つが「むち打ち」と呼ばれるものです。むち打ちとは、衝撃により、頭が前、後ろ、前と勢いよく振られ、頭から肩、背中までの筋肉はその勢いに耐えようと緊張します。この一瞬の動きによって、時には骨が折れたり、関節をつなげている腱、背骨を支えている筋肉、関節の間を通っている神経に目に見えないけがが生じています。
折れた骨が完治する場合、折れた部分の骨はもっと強くなって完治します。しかし、筋肉や腱などの組織の場合は、もっと弱く耐久力のない形に変化してしまうのです。このとき、ただ一時的に痛みを抑えるのではなく、症状の原因になっている背骨や関節、筋肉組織の異常を取り除き、事故前の身体の状態に戻すのがカイロプラクティック治療です。レントゲン、整形外科、神経検査や触診のあらゆる方面から背骨のズレやその回りの組織の異常を判断します。
事故後すぐに背骨を矯正することで、症状の悪化、多くの後遺症を防ぐことができます。また、脊柱を流れる神経の圧迫を取り除くことで、身体全体の回復能力が増し、改善を早めてくれるのです。カイロプラクターは、交通事故のけがや後遺症を治療する専門医であり、専門の学問と技術を取得しています。
交通事故に遭ってしまった場合は、直ちにカイロプラクティックで受診することをお勧めします。早めの治療は早めの回復へとつながります。
※次回は2017年１月９日（月）の掲載となります。
Dr. 石谷三佳
石谷カイロプラクティッククリニック院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。
石谷カイロプラクティックセンター
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