韓国料理がぜいたくに進化
韓国料理といえば、焼肉やビビンパ、キムチ鍋など大衆料理のイメージが強い。韓国料理とフランス料理がフュージョンしたら、どんな料理になるのだろう?
マンハッタンはグリニッチビレッジに店を構えるモダン韓国料理のJUNGSIK(ジュンシク)は、ニューヨークの韓国料理店としては今年、唯一ミシュラン2つ星を獲得した実力派。フランス料理との融合で話題を集めている。白を基調としたシンプルモダンでどこかアットホームな雰囲気の店内でいただけるのは、韓国・ソウルの本店やフランスのミシュランレストランで修行を積んだエグゼクティブシェフ、キム・ヨンホさんが趣向を凝らした創作料理の数々だ。

分厚い和牛の「カルビ」は存在感たっぷり。
赤ワインとの相性も抜群
シグネチャーにはギョーザやキンパ(韓国風のり巻き)、カルビなど王道が連なるが、ちょっと待った。ギョーザにはフォアグラ、キンパには新鮮な生のマグロを使用し、さらにカルビときたら脂がのった1センチ以上ある分厚い和牛を、「すし」のスタイルでいただく。私たちのよく知る韓国料理が、こんなにまでぜいたくに進化するとは、意表を突かれる。タラのソテーや炙ったタコにも、コチュジャンを使ったほど良い辛味のあるソースをかけて、伝統の主張は欠かさない。
1品ずつテーブルに運ばれる料理は、フランス料理の繊細さと韓国料理のなじみやすさ、また素材の選び方や調理法がうまい具合に混在している。ただし、どちらかというと韓国料理の要素が強い印象だ。
意外性に加え、見た目の美しさも追求し、最後まで食べる人を飽きさせないとあれば2つ星も納得。デザートのバナナに隠された秘密も、ぜひ体験してほしい。

前菜の仕上がりは芸術品さながら
JUNGSIK
www.jungsik.com
212-219-0900
2 Harrison St.(Corner of Hudson St.)
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