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【3月30日付ニューヨークタイムズ】
34年前にブルックリン区で10人を殺害し、ニューヨーク州オレンジ郡ワーキルの刑務所に服役していた男が、今年1月に釈放されていたことが分かった。同事件は、ニューヨーク市で過去数十年の間に起きた中でも最大規模の銃乱射事件の1つで、「パームサンデー虐殺事件」と呼ばれ市民を震え上がらせた。
クリストファー・トーマス元受刑者(68)は1984年、同区イーストニューヨークの住宅でヒスパニックの女性2人と子ども8人を射殺した。事件の担当判事は当初、同元受刑者に無期懲役刑を科す意向だったが、陪審団は、同元受刑者はコカイン中毒で、犯行時も極度に情緒不安定な状態だったと主張し、殺人ではなく故殺罪での有罪とし、83年から250年の実刑判決を下した。州法により同元受刑者の刑期は50年間に短縮され、模範囚だったことから減刑、刑期はさらに32年間に短縮された。
事件直後、現場に駆け付け、血まみれになって床をはっていた当時13カ月の生存者、クリスティーナ・リベラさんを見つけた市警察(NYPD)の元警官ジョアン・ジャッファさんは3月30日、ニューヨークタイムズの取材に「犯人が更生し、また人を傷つけるようなことがないことを祈る」と話した。事件当夜にクリスティーナさんの世話を命じられたジャッファさんは、その後も母親代わりとなって援助を続け、2013年には正式に養子縁組を結んでいる。
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