オピオイド系鎮痛剤販売会社を提訴 NY州、知事「社会犠牲にし、まん延もたらした」

 【14日付ロイター通信】詐欺的商法によりオピオイドのまん延をもたらしたとして、ニューヨーク州は14日、コネティカット州のオピオイド系鎮痛薬「オキシコンチン」製造販売会社、パデューファーマを相手取り、利益の返上や損害賠償を求めてサフォーク郡の州高位裁判所に提訴した。
 訴状によると、同社はオピオイド中毒の危険性を軽視し、売上高を伸ばすために身体機能を改善するなどと効能を誇張して宣伝、数十年間にわたり医師や患者を誤った方向へ導き、オピオイドを流通させたとされる。同社の2017年の「オキシコンチン」の売り上げは全米で17億4000万ドル(約1925億円)に上っていた。
 アンドリュー・クオモ州知事は「不道徳な販売業者が地域社会を犠牲にしてオピオイドをまん延させ、4000億ドル(約44兆円)規模の産業に成長させた」との声明文を発表した。
 同社は医療機関に提出した同社製品の医学情報を、米食品医薬品局(FDA)が継続して承認していると指摘、同州の訴えを否認する声明を発表した。
 全米では16年、オピオイド系鎮痛剤の過剰摂取により4万2249人が死亡。ニューヨーク州の死者数は3086人を超え、ニューヨーク市では少なくとも1100人が死亡した。同州の他、全米の26州以上が同社を提訴している。