9.11の「レガシー」次世代に 追悼式典に参列の遺族が若返り

 9.11同時多発テロの追悼式典に参列する遺族の中には、テロの後に生まれた少年少女の姿も目立つ。テロや犠牲者のことを直接知らなくても、その「レガシー」は脈々と次世代に受け継がれている。ウォール・ストリート・ジャーナルが11日、報じた。
 スタテン島在住のゲーリー・シャメイ君(11)は式典で犠牲者の名前を読み上げた人のうち、最年少の1人だ。犠牲になったおじの名前をもらい、知性に満ち、寛大であったと聞かされて育った。そのため、おじのことは「よく知っているような気がする」と話す。
 同様に名前を読み上げたナッソー郡ロングビーチのジョセフ・ヘンリー君(13)も、消防隊員見習いで亡くなったおじの名前をもらった。おじはリトルリーグ・ワールドシリーズで活躍し、ヤンキースの大ファンだったという。ジョセフ君は「僕は野球好きではないし、消防隊員になるかも決めていないが、おじさんから何かを受け継いでいるように感じる」と話す。
 9/11メモリアル博物館上席副館長のアンソニー・ガードナーさんは、式典出席者は毎年若返りを見せていると指摘、「大切なことだ」と歓迎する。「直接の記憶はなくても、こうした子どもたちが将来、継承者として語り継いでくれるだろうから」と目を細めた。

11日の式典に参列した遺族
(photo: Michael Appleton/Mayoral Photography Office)