困難乗り越え家族に ティーンエイジャーの養育里親

 ブルックリン区マリンパークに住むライトさん夫妻は4年前、グループホームに住む13歳のマイクさんを引き取った。思春期まっただ中の子どもの養育里親になるのは容易ではない。4日付ウォール・ストリート・ジャーナルはライトさん一家の奮闘をレポートした。
夫妻がまず直面したのは教育問題だった。マイクさんに合う学校として個別指導で知られるフュージョンアカデミーに入学させたが、授業料は年間7万ドル。これで妻ジョアンさんの貯金が吹っ飛んだ。ニューヨーク州は里子が21歳になるまで生活援助金として年間1万5000ドルを支給している。健康保険は低所得者向けの補助制度メディケイドが適用。大学に進む際は奨学金を受給できる。「本当に助けになる」と夫妻は話す。
 マイクさんは8歳で実の家族から引き離された。フォスターファミリーを転々とした末にライトさん夫妻と出会った。しかし、実の家族から絶縁されると、「引きこもり」に。行き詰まった夫妻は里親制度で10代の子どもに恒久的家族を見つける活動を行う市唯一の非営利団体ユー・ガッタ・ビリーブに相談。同団体の助けもあり2018年春、養子縁組の裁判日が決まると事態は好転。「(マイクが)安堵するのが手にとるように分かった」とジョアンさん。マイクさんも同団体の集会で自身の経験を語るまでになった。ジョアンさんはマイクさんに「『うちはマフィアのようなものよ。一生足を洗えないからね』と言い聞かせている」と笑った。