病院に行かない不法移民 強制送還恐れ、支援団体が懸念 

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ウイルスに感染しても病院を受診しない不法移民の存在が懸念されている。ゴッサミストが12日、報じた。
非営利のアジア系移民支援団体アジアン・アメリカン・フェデレーションの代表、ジョアン・ヨーさんによると、不法移民は病院を受診する際、ビザや在留資格証を提出できないため、「病院が米移民税関捜査局(ICE)に通報し、強制送還になるのでは」と恐れて受診しないという。
 一方、ニューヨーク市のデブラシオ市長は11日、公式ツイッターで、「病院が、患者に対して在留資格を確認することはない」と明言。不法移民であっても受診するよう呼び掛けている。フロリダ州の新聞、マイアミヘルラドが4日報じたところによると、ICEも「不法移民も心配無用」と受診を勧めている。
しかし、トランプ政権は昨年、生活保護を受ける移民の永住権申請資格をはく奪するなど移民政策を強化。現政権に対する不法移民の「疑心暗鬼」は募る一方だという。ヨーさんは、「公的サービスから除外されている不法移民は危険な仕事に就きがち。感染しても病院に行けず、手が打てない」と危機感を募らせている。