NYPDの検挙率が低下 病欠増加や抗議行動の警備に配置換えで

 ニューヨーク市警察(NYPD)の第2四半期の検挙率は26.3%で、昨年同期の35.8%に比べ、26.5%も低下していることが明らかになった。ウォール・ストリート・ジャーナルが2日、報じた。

 第2四半期は、4月から始まる3ケ月間。 地域別では、検挙率が最も低かったのはブルックリン区の24.9%。最も高かった区はスタテン島で32.8%だった。殺人の検挙率は50.9%。加重暴行が57%で最も高く、窃盗が11.6%で最も低かった。

 検挙率低下ついて、NYPD報道官は、「新型コロナウイルス蔓延で警察官の病欠が増えたこと、黒人差別に対する抗議行動の警備に一時的に配置換えしたことが原因」と指摘。 ダーモット・シェア本部長は、検挙率を上げることより犯罪発生率を下げることに注力したいとしている。ただ、 ジョン・ジェイ大学のジョセフ・ポリーニ非常勤講師は「検挙率の低下は犯罪者を増長させ、犯罪件数の増加につながる」と警告している。

 実際、凶悪犯罪は増加傾向にある。年初から先月29日までに発生した殺人事件の犠牲者は420人。前年同時期は304人だった。銃撃事件は2倍以上になっている。 市議会議の公共安全委員会で委員長を勤めるドノバン・リチャーズ市議は「身近な問題だけに、おろそかにするべきではない」とコメントしている。

写真はイメージ(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)

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