米国でワクチン接種が少ない州の共通点?
接種率に見るアメリカの政治的分断

ワクチン接種を拒み続けている数千万人のアメリカ人に対して、社会的、道徳的、政治的、あらゆる側面からの説得努力が続いている。7月26日、CNNが伝えた。 世論調査によると、支持政党に保守派が多数を占める州の多くではワクチンに対して懐疑的であり、ワクチン接種が進まないため、新型コロナウイルスの犠牲になっているという。
感染症に関する米国の第一人者、アンソニー・ファウチ博士はCNNの番組の中で、「未だに、国内の50%もの人がワクチン接種を受けていない。パンデミックにおいてアメリカは間違った方向に進んでいる」と警告した。博士は加えて、「これは主にワクチン接種を受けていない人々の間の問題で、私たちにできることは、ワクチン接種を受けていない人に接種を受けるように促すことだ」と語った。
政治とワクチン接種
昨年、ドナルド・トランプ前大統領は、公衆衛生ガイドラインよりも自身の政治的見通しを優先した。しかし、敗北。バイデン政権の発足によりワクチン接種が推進。それが米国の政治的分裂にさらに拍車をかけ、一部の保守派の評論家や政治家は、バイデン政権が彼らの意志に反して強制的にワクチン接種をしようとしたとして非難、専門家の助言も却下した。
アメリカ人がワクチンを接種しない理由は他にもある。例えば「ウイルスはそれほど悪くない」という信念や、「田舎のライフスタイルがコロナに感染する可能性を低くする」といった希望的観測、「政府の専門家に対する不信感」などだ。しかし、現在ワクチン接種が進んでいない州は、2020年にトランプ氏が勝利した共和党の州がほとんどであることも否めない。
共和党の中にもワクチン推進派はいる。トランプ政権下でホワイトハウスの報道官を務めたサラ・ハッカビー・サンダース議員はアーカンソー・デモクラット・ガゼット紙の取材に対し、「(アーカンソー)州で入院した人の98%と、最近コロナが原因で死亡した人の99%がワクチン接種を受けていなかった」と述べた。
現在、アメリカでは成人の約50.2%がワクチンの完全接種を終えているが、感染症が流行しなくなるという集団免疫の獲得には、全人口の70〜90%がワクチン接種をしなければならない。しかしAP通信によると、ワクチンを接種していない米国成人を対象としたNORC広報研究センターの調査では、35%がおそらく接種しない、45%が絶対に接種しないと答えている。
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