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テロ遺族「古傷をえぐられる」
20年後の遺骨特定に戸惑い

2001年の同時多発テロ事件から20年が経過しても、ニューヨーク市検視局は世界貿易センター(WTC)跡地で見つかった犠牲者の骨片の身元特定を進めている。とはいえ、今になって遺骨が見つかったことを知らされる犠牲者の遺族の心境は複雑だという。ニューヨーク・タイムズが7日、伝えた。
同事件の犠牲者2753人のうち、1106人の遺骨が見つかっていない。同局は過去20年間にわたり、遺族から提出されたDNAサンプルと跡地で見つかった骨片のDNAを照合し、検査を行ってきた。事件直後の数年間は年間数百件の身元の特定が進んだが、05年になると滞った。ただ、次世代シーケンシング技術の導入や、DNA抽出方法の進歩により、より多くの身元の特定が期待されるに至った。
最近、身元が特定されたある女性の遺族は「まるで古傷をえぐられるようなもの。時間と共に気持ちが落ち着いてきたと感じていたのに、20年経ってまたこんな事が起きて、一からまたやり直しだ」と複雑な心境を吐露した。
新たに特定された遺骨は、米国旗が記された真空パックに入れられ「災害識別番号」を付けて遺族に返される。遺族が受け取りを拒否した場合は、911メモリアル博物館に保管されるという。遺族は、身元特定の可能性についての通知を受けることを拒否することもできる。
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