日本語が通じるニューヨークのクリニック【不妊治療】 Global Fertility and Genetics

日本語が通じるニューヨークのクリニック【不妊治療】
Global Fertility and Genetics

 不妊治療の権威が集まるアメリカ。そんなアメリカの中でも、ニューヨークのクリニックには国内外から不妊に悩む患者が訪れる。日米の不妊治療の違いやコロナ前後での現場の変化について、ニューヨーク・マンハッタンにある不妊治療専⾨クリニック、グローバル・ファティリティ・アンド・ジェネティクス(以下、GFG)のソートン医師と日本人・不妊治療コーディネーターの岡本 朋子さんにお話を伺った。

 

Melvin H. Thornton M.D.
メルビン・ソートン先生

生殖内分泌学/不妊症と産婦人科のダブルボード認定医。ワシントン大学医学部卒。南カリフォルニア大学で産婦人科のインターンシップと研修を修了後、クリーブランドクリニックで高度な生殖手術の研修を受ける。コロンビア大学の女性生殖医療センターで医療ディレクターおよび卵子提供プログラムのディレクターを兼任。卵子提供と代理出産分野の世界有数の専門家。

不妊治療コーディネーター
岡本朋子さん

自らも不妊治療を経験し、出産した経験を活かし、不妊治療コーディネーターとして患者さんの心に寄り添ったサービスを提供している。また、日本人患者のカウンセリング時の通訳も担当。国際的な代理出産や卵子提供についても、最初から最後まで一貫したサービスを提供する。日本語と英語に堪能。甲南大学卒業、ニューヨーク州立大学フレドニア校卒業。

Q. アメリカの不妊治療について教えてください。

ソートン先生:日本に比べ、アメリカの不妊治療は合理的で成功率が高いです。年齢や検査結果によっては初めから体外受精(IVF)や顕微授精(ISCI)を行ないますし、体外受精では排卵誘発剤の使用が一般的で、成功率を高めるために染色体異常のない健康な受精卵(胚)だけを子宮に戻します。「患者様一人ひとりに合った排卵誘発をきちんと行い、より多くの卵子を採取し、より多くの質の高い受精卵を作る」を基本的な治療方針とし、「早い段階で効果の高い治療を試すことが結果的にお金と時間の節約になる」という効率重視の考え方です。タイミング療法や人工授精に時間をかける日本の治療とは異なりますね。

 

Q. どのような患者様がいらっしゃいますか?

ソートン先生:日本人の方の場合、コーディネーターのトモコの存在が大きいでしょう。彼女は通訳として検査結果や治療ステップ、複雑な保険などを日本語で説明するだけでなく、患者様と時間を共にし、治療のパートナーとして寄り添っています。不妊治療で大事なのはストレスフリーな環境で治療に向き合うことですが、トモコの存在が患者様のストレスを軽減し、結果として妊娠を叶えることに繋がっていると思います。

岡本さん:私自身、不妊治療で子どもを授かった経験があり、第一子のときは有名な大学病院で治療を受け、第二子を望み治療を再開する時にGFGに出会いました。GFG以外のクリニックも知っていますし、そんな私の治療体験がコーディネーターとして役立っていると思います。GFGの魅力は毎回同じ担当医が診察・施術を行う安心感、待ち時間が少なく、採卵や移植がクリニック内で完結する、複雑な保険の手続きはファイナンシャルコーディネーターに一任できるなど、徹底して患者様の負担を減らす工夫をしている点です。大学病院と比べ規模こそ小さいですが、担当医や看護師、コーディネーターとのコミュニケーションがスムーズかつフレンドリーで、その点が日本人の患者様が安心して通える魅力だと思います。

 

Q. コロナの前後で不妊治療の現場に変化はありましたか?

岡本さん:行動制限のために、遠方に住む卵子提供者や代理母のニューヨーク渡航が難しい、海外にある冷結精子・卵子・受精卵などの郵送が難しい、海外の患者様の渡航が制限される、といったことが起きました。一つずつクリアしましたが、コロナ感染の不安もある中、求める治療がタイムリーに受けられないと、患者様にとって精神的に苦痛です。私たちができることは少しでも感染のリスクを減らし、患者様のストレスを軽減しながら治療を続けることです。コロナ前から完全予約制でしたが、患者様同士が一緒になる機会を最小限に抑え、マスクの常時着用、手洗い・消毒の徹底などは直ちに行いました。ワクチン接種の推奨や証明書の提示、PCR検査については先生から患者様に丁寧にご説明し、ご協力いただきました。コロナの感染防止には細心の注意を払いましたし、現在もその取り組みは続けています。

 

 どんな治療法があるのか、自分にはどんな治療が合うのか。わからないことが多く、初めの一歩が踏み出しにくい不妊治療。インタビューを通じ、症状や治療法は十人十色だからこそ、一人ひとりに最適な治療法を医師と見出し、コーディネーターが伴奏しながらチームワークで取り組むものだと実感した。まずは信頼できる医師やコーディネーターに出会うことが「不妊治療の第一歩」と言えそうだ。

 

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