資金難のMET、ピカソ作品を競売 1909年のブロンズ像、4850万ドルで落札

 

 

資金難のMET、ピカソ作品を競売

1909年のブロンズ像、4850万ドルで落札

 

メトロポリタン美術館(10日撮影=Kumiko Ito)

 

 新型コロナウイルスの影響で資金難に陥るメトロポリタン美術館(MET)がこのほど、ピカソの作品を売却した。売却した作品は、ピカソの最初のキュビズム彫刻とされる1909年のブロンズ像「女性の頭部」。クリスティーズのオークションに出品され、4850万ドルで落札された。手数料を差し引いた約4200万ドルが、METに渡った。買い手は明らかにされていない。

 この彫刻は、METが誇る2つのコレクションのうちの1つ。今回、売却した作品は25年以上前に、美術品コレクターで元理事だったフローレンス・シェーンボーン氏から遺贈された。2つ目は、エスティー・ローダーの相続人となったレナード・ローダー氏が2013年に寄贈した作品だ。同作品を含む、複数の寄贈作品の売却によりMETが得た多額の収入は、過去最高の4400万ドルに上り、今後の美術品購入に充てられるという。

 同美術館の財政は、パンデミックにより壊滅的な打撃を受けた。6カ月間の休館を余儀なくされたため、従業員の解雇や早期退職制度の実施などで対応していた。年次報告書によると、METは2022年の会計年度を560万ドルの赤字。昨年は、市から2200万ドルの資金援助を受けていた。赤字にもかかわらず、幹部の報酬が増えていたと指摘されている。(18日、ニューヨークポスト)

 


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