アメリカ妊活便り 第5回 男性不妊② 〜原因と治療〜

 

ニューヨークの不妊治療クリニックGFGの
アメリカ妊活便り


第5回 男性不妊② 〜原因と治療〜

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男性不妊は日頃の生活習慣に起因するところも多く、生活改善によって解消されることも少なくない。しかし、その他の原因がある場合、原因に応じた適切な治療を施さなければ、妊娠に結びつくことは難しい。 

再検査後の判断を
男性不妊の大半は、精巣で精子を作る過程で起こる造精機能障害や、精子が体外に出るまでの通り道にトラブルが生じる精路通過障害。それらのほとんどは精液検査によって発見される。一度目の検査で異常値が出ても焦る必要はない。精子は毎日1億個以上作られ、74日かけて受精可能な状態へと成長するため、最初の検査後、一ヶ月程度明けて再度検査を行い、それでも二度、三度と異常値が出た場合はその原因を探らなければならない。

男性不妊の原因
生活習慣以外の原因の主なものとして、  
− 男性ホルモン(テストステロン)の使用  
− 環境中の毒素や化学物質への接触  
− 放射線治療や特定の薬の使用  
− 長期間の精巣の過度の加熱  
− 過去もしくは現在の停留精巣  
− 精巣(睾丸)の損傷や感染症  
− 成人後のおたふくかぜ  
− 精巣の静脈に血液が逆流することで起きる精索静脈瘤  
− クラインフェルター症候群など染色体の遺伝性疾患
などが挙げられる。これらは、精子の生成に影響を与える可能性があり、欠精子症や無精子症、精子無力症や精子奇形症を招く。  
また、精子の通り道が閉塞、もしくは狭くなっている原因としては、
− 先天性精管欠損症  
− 前立腺や精嚢、尿道などの感染症  
− パイプカットや鼠径ヘルニアの手術後、 などがある。

手術や体外受精で不妊を解消
これら生活習慣の改善だけでは解決できない場合は、やはり投薬治療や外科的手術が必要となる。感染症に対する抗生物質やホルモンバランスを改善するホルモン剤の投与、精巣の修復や固定の手術、精索静脈瘤の場合は顕微鏡を用いた手術で瘤を取り除くことができる。また、閉塞性の無精子症(精子があってもその通路が塞がっている)では、手術によって通路が再建可能。もしも閉塞が改善できなかったり、精子が精液中に出てこない場合は、精巣精子回収術(TESE)によって精巣から直接精子を取り出し、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)によって妊娠を試みる。  その際、当クリニックでは最新の精子セパレーター「ZyMōt」を用いてより良質で運動率の高い精子だけを抽出。好条件の精子だけを卵子と受精させることで、より高い妊娠成功率を導いている。近年増えつつある男性不妊だが、女性不妊同様、早期の検査と適切な治療によって、不妊の壁を乗り越えることは十分可能なのである。

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