植村花菜のNY子育て日記 「漢字は難しい」or「日本語って難しい」

 

植村花菜のNY子育て日記

「漢字は難しい」or「日本語って難しい」

Shintaro Ueyama
Photo:Shintaro Ueyama

シンガーソングライターの植村花菜です。2016年に渡米し、夫、8歳の息子とニューヨークで暮らしています。NY生活や子育てに関するエッセーを綴っていきます。これからよろしくお願いします。

公式サイト: http://ka-na.us
X(Twitter) : https://www.twitter.com/kanajpop

 

NYで子育てをしていく中で、日本人の親が苦労するのが「日本語教育」だとみんな口を揃えて言います。両親ともに日本人でも、現地校に通っているとどうしても英語が強くなり、おしゃべりは出来ても漢字を書いたり読んだりすることが難しい子供が多いという話をよく聞きます。

私の息子は現在8歳で、日本でもNYで小学3年生になります。

幸いなことに読書や漢字が好きなので、自分で漢字の本を読んで勉強しています。とはいえ、読めても書けないのが漢字の難しいところ。
この夏、日本に一時帰国する際、地元の小学校に体験入学することにしました。念の為3年生用の漢字のワークブックを買って、帰国までにやっておいてねと伝えました。

でも彼は「3年生の漢字はもう読めるからやらなくても大丈夫」と言うんです。

「読むのと書くのは別だから、やっておいた方がいいと思うよ」と何度か伝えましたが、彼はその度に「大丈夫~」と言って、結局やりませんでした。

我が家の方針は、本人が自発的にやりたくなるまで無理に何かをやらせるということはしません。私自身思うところはありましたが、グッと堪えてそれ以上は言いませんでした。

夏に一時帰国し、予定通り地元の小学校に体験入学。

案の定、漢字のテストで彼は半分くらいしか問題を解けませんでした。

例えば、「岸」や「拾う」など、読むのは簡単なのにいざ書こうとするとわからない。

そこでやっと、私が言ったことの意味を理解したようです。

頭ではわかったつもりでいても、実際にやってみると意外と出来ないことは大人でもたくさんあります。

出来るはずのことでも、前もって予習(練習)することがどれだけ大切か、身をもってわかってくれたことがとても嬉しかったです。

いくら言葉で説明しても、実際自分で経験しないと腑に落ちないことはたくさんあるので、これも成長のための素晴らしい失敗だなと、母は微笑ましく見守るのでした。

 

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