なぜ、温暖化なのに桜の開花は遅れたのか? 今年も猛暑で気候変動が確実に経済を直撃する!(中1)

赤い砂嵐で新疆ウイグルは火星のように

 桜の開花・満開遅れぐらいでは、それほど感じないが、世界に目を転じると温暖化による気候変動は猛威を振るっている。ネットやテレビを通して、世界の現状を見るにつけ、この世界はどうなっていくのかと思う。
 たとえば、大陸中国。広い国土の各地で、異常気象が起こらない日はない。今年の冬、とくにひどかったのは、新疆ウイグル自治区。2月半ばに巨大な竜巻が発生し、台風並みの強風が吹き荒れた。そのため、砂塵、砂粒、石が舞い上がり、高速道路を走行中のクルマの窓ガラスを破壊、立ち往生するクルマが続出した。最大風速48.4メートル。
 また、砂嵐に見舞われた街は、真っ赤に染まり、映像を通して見る周りの光景はまるで火星のようである。映像のなかで、撮影者は「今度の砂嵐は赤い。赤い砂嵐なんて初めて。こんな光景は見たことがない」と叫んでいた。
 新疆ウイグル自治区では、2月18日、観測史上最低となるマイナス52.3度を記録した。昼間は10度近くまで気温が上がるというが、こんなに寒暖差があっては、とてもまともには暮らせない。

ドバイ、サウジアラビアに雹(ひょう)が降る

 中東の異常気象もひどい。UAEのドバイでは、観測史上初の豪雨を記録。街中のいたる所が冠水した。ドバイは、もともと大雨を想定した街づくりをしておらず、水処理能力の限界を超えてしまった。
 また、灼熱の砂漠の国では考えられない雹(ひょう)も降った。UAEだけではない。サウジアラビアのリヤドで雹が降った。
 現地からのSNS映像には、人々が目を丸くしている状況が写っていた。サウジアラビアでは年に数回しか雨が降らず、雨が降ると学校が休みになるというのだから、ただ事ではない。

ジャンプは中止も!欧州のスキー場に雪がない

 私は、若いときに冬季五輪を取材したこともあって、スキージャンプなどのウインタースポーツを見るのが好きだが、今年のスキージャンプ週間(とくに女子)は、例年とはまったく違った。LIVEで映し出されるジャンプ場は、ジャンプ台そのものは別として、どこも雪がないか少ないのだ。
 北欧のノルウエー、スウェーデン、フィンランドはいい。それ以外、スイス、ドイツ、オーストリア、スロベニア、ルーマニアなどは、雪が本当に少ない。
 そのため、2月16-18日のルーマニア、ルシュノブはキャンセルとなった。また、2月2-4日のドイツのヴィリンゲン、最終戦3月21日のスロベニアのプラニツァは、ジャンプ台以外は、山肌の地面があらわで、冬の光景ではなかった。
 今年の冬の欧州各地は、暖冬も暖冬で、アルプス周辺では雪がほとんど降らなかった。スイスでは、1月の平均気温がマイナス0.5度で、平年より約2度高かった。そのため、スイス南西部のスキー場は雪不足で、オープンできないところもあった。映像では、地面むき出しの丘陵にゴンドラが放置され、人気のないリフト小屋がまるで廃墟のように写っていた。
 北部イタリアのスキーリゾートも同じだ。こうした雪なき冬がニューノーマルになると、2026年のミラノ、コルティナ・ダンペッツォの冬季五輪の開催が危ぶまれる。今度の五輪の最大の問題は、雪集めをどうするかになるだろう。(つづく)

この続きは5月9日(木)発行の本紙(メルマガ・アプリ・ウェブサイト)に掲載します。
※本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。

 

山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。

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