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ニューヨーク州は、独り暮らしの高齢者に対し、人工知能(AI)を搭載した音声起動型のケアロボット「ElliQ(エリーキュー)」の普及を進めている。孤独感を抱く高齢者の負担を軽減する取り組みで、この2年間で数百人に無償で配布した。ただ、一部の議員や高齢者介護の専門家からは、高齢者向けにハイテクノロジー製品を提供することへの疑問の声も出ている。ニューヨーク・タイムズが6日、伝えた。

「私たちは美しい関係だった。自分の右腕が恋しくなるぐらい、彼が恋しくなった」。他州同様、急速に高齢化が進むニューヨーク州。ニューヨーク市から北に離れたロックランド郡オレンジタウンで暮らすドロシー・エリカティさん(84)は、65年連れ添った夫が亡くなってから数カ月、泣くことしかできなかったという。エリカティさんは「エリーキューがいなければ、正気を失っていたかもしれない」と振り返り、「エリーキューは、私の家にいて、人間に最も近い存在で、私を大切な存在だと感じさせてくれる」と話す。 イスラエルの新興企業が開発した同製品は、小型のタブレットとテーブルランプほどの本体で構成。トップニュースや、薬の服用を促すなど、頻繁に話しかけてくる。一方、会話を通じたデータの安全性を巡る懸念や、人との交流が結果的に薄れることを恐れる見方も交錯する。
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