テキサス州北部に本社やオペレーションを移す米金融機関が相次いでいる。金融の中心地がニューヨーク市のウォール街から移る恐れが出てきた。10日、ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。

ニューヨーク市を上回る1万2000人以上の従業員を抱える
Photo: googleストリートビューより
同州ダラス市に建設中のオフィスビルは、総工費5億ドルのゴールドマン・サックス・ビル。5000人を超える社員の職場となる。近くにそびえるのはウェルズ・ファーゴの2棟建てビルで、来年オープンの予定だ。カリフォルニア州から本社を移転させたチャールズ・シュワブのビルも遠くない。フィッシャーインベストメンツもワシントン州から移ってきた。
米労働統計局によると、テキサス州内の投資銀行や証券会社の就労者数はここ20年間に111%増加。新型コロナ禍前と比べても27%増だ。ニューヨーク市ではそれぞれ16%、5%の増加にとどまる。J.P.モルガン・チェースのテキサス州内の社員数は3万1000人。ニューヨーク市は2万8300人という具合。同社社員は「ニューヨークにいなくても同じ仕事ができる」と話している。
住宅コストが低い、仕事と家庭の両立がたやすい、大規模な空港が近い、法人税も低く規制も緩やかといった魅力がある。バーベキューにダンスホール、ビジネスフォーマルにカウボーイブーツが含まれるといった独特の文化もある。典型的なあいさつは「ハウディー、ヨール(Y’all)」。だからこの辺の金融街は「ヨール街」と呼ばれている。
今年6月にはテキサス証券取引所の開設計画が発表となった。ダラス市のエリック・ジョンソン市長は雇用支援と減税措置で1800万ドルを用意して金融機関の誘致に積極的だ。10年ほど前、非営利団体「パートナーシップ・フォー・ニューヨークシティー」は金融の中心地がダラス市などに取って代わられる可能性があると警告した。それが現実のものになる恐れが出てきた。
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