ニューヨーク市内の郵便局ではがき用切手が不足している。投票を呼びかけるはがきを出すために大量に購入する市民が増えたためだ。ザ・シティーが10月30日、報じた。

ブルックリンの郵便局で列に並んでいたベッカ・シャピロさんは驚いた。最前列の男性がはがき用切手を1000枚購入したいと言ったからだ。他の人が激戦州の市民に投票を呼びかけるはがきを出すためだと教えてくれた。仕掛けたのは民主党候補のカマラ・ハリス副大統領陣営。「この辺は民主党支持者の牙城。ハリス支援の草の根作戦に自ら手を貸したいと思う人が多い」とパークスロープ在住のシャピロさんは語る。
結局、この男性は切手を購入できなかった。売り切れの状態が数週間続いているという。それが市内の至る所で起きている。はがき作戦は、ボランティアが手書きで投票を訴えるもの。特定の候補者を指名していない。送り先は、ジョージア、ペンシルバニア、ノースカロライナといった激戦州の民主党支持者と支持政党なしの市民だ。
この作戦は全米で展開されており、これまでに4030万枚のはがきを送ったという。はがき用切手不足は全米各地で発生している。はがきは手紙用切手でも送ることができるが、手紙用切手は現在73セント。はがき用切手は56セントで、1000枚買うと170ドルの節約となる。切手はオンラインでも購入可能だが、いつ届くかの確証がない。
作戦の指揮をとるリード・マッコラムさんによると、ニューヨークはカリフォルニアに次いでボランティアの数が多い。市内だけで1万人だ。その1人、アッパー・ウエストサイドのエイミー・モセデールさんは過去数カ月の間に「数えきれないほど」のはがき用切手を買った。そして、92歳になる母親と共にはがき書きに精を出す。「今時、手書きのはがきは珍しいでしょう。激戦州の市民を少しでも動かすことができれば」と話している。
編集部のつぶやき
激戦州で展開するボランティアは、電話バンク、戸別訪問、キャンバシング(ある地域を集中的に周る)などがある。民主党が勝つ無風のニューヨーク州からは、バスをチャーターしたり、若者が車に乗って現地の選対にアポなし飛び入り。手が足りない仕事を手伝う。日本とは違う盛り上がりは羨ましい気もする。(K.T.)
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