
ビジネスカジュアルが主流のオフィスで、ネクタイが復活の兆しを見せている。特に20代の間で人気。ネクタイ姿の女性も増えている。ウォール・ストリート・ジャーナルが4日、伝えた。
ライアン・クレインさん(21)はペンシルべニア州立大学の4年生。昨年に続き今年の夏も連邦議会でインターンとして働いた。議会指導者がドレススニーカーで大統領に会うご時世に、スーツとネクタイを着用している。「仕事に真剣なプロだというメッセージを発信できる」と話す。来年、トランプ氏がホワイトハウスに戻れば、ネクタイ姿が主流になると予想する。
金融街でドレスコードが簡素化されて10年近く。「ネクタイ不要」のビジネスカジュアルを最初に採用したのはJPモルガン・チェース銀行で16年のこと。米国内でネクタイの売り上げは2020年、6140万ドルまで落ちた。しかし、22年には1億600万ドルと増加傾向にある。
エイミー・べヤスさん(35)はカナディアン・ウエスト銀行のリレーションシップマネージャー。夫のネクタイを締めて顧客と会ってみた。すると不動産取引や投資の相談が増えたという。「権威ある雰囲気を醸し出すことができる」と、週に1度はネクタイを締めて出社する。
やはり週に1、2度はネクタイ姿というのは不動産エージェントのダニエラ・シューパックさん(51)。「話題にできるし、パワーを感じる」とその効用を語る。「『シリアスに扱ってほしい』と訴えることにもなる」と続ける。ネクタイは年齢や体型に関係なく利用できるという利点もある。
ただ、Z世代にはしばしば、だぶだぶのスーツに大きくて派手なネクタイというスタイルも見られる。まるでネクタイを皮肉っているかのようだ。「まさにその通り」と言うのはメンズウエアの店「グレイクローサーズ」の共同創業者、デイビッド・マレーさん。「そこには男らしさや権力の象徴である古いシンボルへの反発といった意味が暗に込められている」と説明する。
編集部のつぶやき 「胸もとで印象付け?」
ビジネスの場で女性の「ネクタイ姿」が注目されるとは、興味深いですね。確かに女性の場合はシャツやニットなど、とにかく胸もとの着こなしでフォーマル、カジュアルと印象が変わります。筆者がネクタイと聞いてすぐに頭に思い浮かんだのは、2007〜12年に放送されていたニューヨークが舞台のドラマ「ゴシップガール」。女子生徒の制服×ネクタイというクラシックなスタイルが反響を呼び、私服でもネクタイを取り入れるファッションが見られるようになりましたよね。ビジネスでの「ネクタイ」活用シーン、探ってみようかな(MN)
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