連載『夢みたニューヨーク、住んでみたら？』 Vol.5 アメリカには存在しない便利アイテム

ニューヨークでの生活では驚きが「スタンダート」と化している。筆者は27歳、この夏憧れのニューヨークにやって来た新参者だ。日本（神戸）で人生の大半を過ごしたせいか、いちいちビックリするようなことが毎日のように起こるので、文化の違いやカオスな出来事を中心にポップにつづっていくことにした。

〜 試着室にあるはずの「アレ」がない 〜

日本が暮らしやすいと感じるのには様々な理由があるが、そのひとつには「あったらいいな、便利だな」が常に具現化されているところ。トイレのウォシュレットに種類豊富な汗拭きシート、静電気を防いでくれるブレスレットも立つしゃもじ。無くても生きてはいけるが、ニューヨークに来てから「あ〜あれがあったらな」と思うことは多々ある。

フェイスカバーだ。これに関しては「あったらいいな」というよりは「無くて困っている」。トップスやドレスなど、頭から被るタイプの服を試着する際、日本では必ず「フェイスカバーの着用をお願いします」と、断りがあるがアメリカには、そもそもフェイスカバーが存在しない。だから販売されている服にはよくファンデーションやラメのアイシャドウの痕など、色々と付いている（笑）。

店&客側、双方にとってもフェイスカバーは便利なアイテムなのだが、アメリカで使われていない理由をChatGPTに聞いてみるといくつかの理由を教えてくれた。要約すると「汚れを気にしない傾向、効率重視にある文化的要因や、レシートさえあれば容易に返品ができる返品文化なども関わっている」とのことだった。ほぅ。

アメリカナイズしたいマインドと “されたくないマインド” が毎日「あ〜だこ〜だ」言いながら、新たな自分を作っていってくれているように思う。

著者のプロフィール

ナガタミユ（Miyu Nagata）エディター／ダンサー

兵庫県出身の27歳。幼少期に観た「コーラスライン」をきっかけに舞台芸術の世界にどっぷりハマって以来、20年以上踊り続けている。また、日本の出版社で編集者として活躍したのち「書いて、踊る編集者」としてさらなる飛躍を遂げるため、2024年8月から拠点をニューヨークに移す。

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