ニューヨーク市の水道水の塩分濃度が過去30年間に3倍に増加しており、向こう10年に許容量を超える恐れがある。市の環境保護局(DEP)が21日、明らかにした。ゴッサミストが同日、報じた。

市はウェストチェスターおよびパットナム郡の貯水池からクロトン水路を使って水道水の約10%を供給している。DEPによると、この水路の塩化物濃度は1987〜2019年に次第に増えて、当初の3倍に達している。道路の路面凍結防止剤、下水処理場や家庭用軟水器からの流入が原因と考えられている。
「塩分濃度が増加傾向にあるのは明白。憂慮すべき問題だ」とDEPのロヒット・アガワル局長は指摘。「州人口の半分に水を供給する全米最大の水道システムとして、最良の水質を維持するよう全力を尽くすべきだ」と続ける。DEPは、凍結防止に環境汚染の少ない塩水溶液を使うことを提案。さらに、下水処理場の施設を改善して塩化物の流入を最小限に抑えるよう主張している。市清掃局も提案を受け入れて、降雪前の凍結防止に塩分溶液の使用を増やしている。
さらに、DEPは、クロトン水路につながるアマウォーク貯水池では向こう30年で塩分濃度が許容量を超える可能性があると警鐘を鳴らす。ピーター・ハーカム州上院議員(民主)によると、市の水道水の大半を供給するキャッツキル山脈の貯水池でも塩分濃度が高まっており、問題は深刻だ。塩分濃度が高いと水道管が腐食しやすい。オレンジ郡から水を引く85マイルのデラウエア水路では漏水が1日に3500万ガロンに上る。市は昨年、20億ドルでハドソン川下に2.5マイルのバイパスを敷設する修理工事を計画した。しかし昨年秋、米東部が渇水状態で貯水池の水位が下がり、計画は棚上げになった。市では今年こそ工事を実施したい意向だ。
編集部のつぶやき
舌では感じられないので、見過ごしやすい問題ですね。人間と比べて体が小さいペットにもどんな影響があるのか、心配です。(A.K.)
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