ニューヨーク州都市交通局(MTA)が導入したタップ式決済システムのOMNYだが、地下鉄利用者の75%が何らかのトラブルを経験していたことが分かった。

MTA市民諮問会議(PCAC:Permanent Citizens Advisory Committee to the MTA)が10日に発表したOMNYの改善に関する報告書によれば、「タップが認識されない」が42%、「タップ後数時間から数日後に料金が請求される」が34%、「二重課金」が30%、「運賃上限が自動的に適用されずに1週間以内に34ドルを超える料金を請求された」が14%で、OMNYに関する「問題が発生しなかった」と回答した人は26%だった。全体的に、Apple Payまたは他のデジタルウォレットを使用する回答者は、報告された全ての問題において平均を上回る問題発生率を経験していた。一方、物理的なOMNYカードを使用する回答者は、問題の発生率が平均を下回る結果となった。
一方で、OMNYの利便性を評価する声も多く、54%が「5点満点中4点または5点」の好評価を付け、平均は3.43点だった。特にスマートフォンやカードで素早く支払える利点が支持されている。
OMNYに追加してほしい機能としては、回答者の76%が、他の交通手段への無料乗り換えを、64%が、30日間の無制限乗車料金の上限設定を、52%が、1日間の無制限乗車料金の上限設定を希望していた。PCACは今後の改善案として、残高や有効期限の確認機能追加、情報キャンペーンの実施を提案。低所得者向けの運賃割引も提唱している。
調査結果に対しMTAは、「小規模なネット調査で信憑性に欠ける」と反論。OMNYソフトウェアの障害により、乗客から読み取りエラーや支払いエラーが発生したとの報告を受け、ジャノ・リーバー会長兼CEOは、当初予定されていた8月の運賃値上げを実施しないと発表した。
調査は6月2日から7月7日までの期間、SNS、メール、コミュニティー掲示板および支援団体を通じてOMNYユーザー392人を対象にアンケートを実施した。
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