2025年7月16日 NEWS DAILY CONTENTS

NY・ブロンクスにある「子ども博物館」が穴場すぎた、子どもが夢中になる体験型展示【体験レポ】

夏休み、どこに行こうか迷っているファミリーにおすすめしたいのが、「ブロンクス子ども博物館」。子どもが夢中になる、水辺の仕組みを学ぶウォーターテーブルから、動物とのふれあい、ブロンクスの暮らしを再現した街角まで遊びながら学べる仕掛けがいっぱい!

ウォーターテーブル

体験レポ1:まるで川遊び!「ウォーターテーブル」

館内に足を踏み入れて、まず目を引くのが、全長約10メートルの「ウォーターテーブル」。ブロンクス川、ハーレム川、オーチャードビーチを模した水路で、子どもたちは船を浮かべたり、水を流したり、水門を操作したりと、まるで本物の川辺にいるような感覚を味わえる。

水の流れに手で触れながら学ぶ体験は幅広い年齢層に大人気。スタッフが常駐し、濡れた床の拭き取りやスモックの着脱を手伝ってくれるなど、安全への配慮も行き届いている。ベンチも複数台設置されていて、大人も安心して見守ることができる。スモックは無料で利用できるが完全防水ではないので、着替えやタオルを持参すると安心だ。

体験レポ2:ドキドキ、ヘビとの触れ合い

ヘビの話を熱心に聞く子どもたち

この日は特別プログラム「動物との触れ合い体験」で小さなヘビが登場。スタッフの手に乗ったヘビを前に、子どもたちは興味津々。特徴や習性についての解説に熱心に耳を傾けていた。

会場が盛り上がったのは、「ヘビの年齢当てゲーム」。ヒントから子どもたちが推理し、正解を目指して盛り上がるなか自然と一体感が生まれていた。ちなみにヘビは2歳だった。触れ合いタイムでは、最初は怖がっていた子どもたちも最終的にはヘビに触れることができ、満面の笑みを浮かべていた。

体験レポ3:ブロンクスの街角展示で「ごっご遊び」

カラフルなカシータ(小家屋)

館内には、ブロンクスの暮らしを再現した展示もある。「カシータ(小家屋)」「ボデガ(食料品店)」「コミュニティーガーデン」などの空間で、子どもたちはままごと遊びを通じて地元の文化や生活に自然と触れることができる。さらに、0〜3歳児向けに柔らかい遊具や光るテーブルを用意、小さな子どもでも安心して遊べる空間となっている。読書コーナーにはブロンクスにまつわる本が並び、落ち着いた雰囲気のなかで親子で本を読む姿も見られた。

体験レポ4:抽象アート体験

大きな紙に抽象作品制作に取り組む子どもたち

この日はアーティストJulie Mehretu(ジュリー・メヘルトゥ)の作品にヒントを得たワークショップ「Abstract Forms and Lines」が開催されていた。大胆で自由な線と幾何学的な形を組み合わせて自分だけの抽象作品制作にチャレンジするといった内容だ。

まずは鉛筆やペンで紙に自由に線を描くところからスタート。次に、カラフルな色紙や折り紙を好きな形に切り、線が完全に隠れないようにバランスを見ながら貼り付けていくというもの。

さまざまな柄の折り紙や工作用紙が自由に使えるように用意されており、子どもたちは目を輝かせながら、自分の好きな色や形を選び、切ったり貼ったりする作業に夢中になっていた。自宅では無理のある大きなサイズの紙に作品を思い切って広げられることもあって、子どもたちの想像力もどんどん膨らんでいくようだった。

集中して取り組む姿は真剣そのもので、他の子どもたちの作品を見ながら「こんなやり方もあるんだ」と刺激を受けている様子も見られた。完成した作品はどれも個性豊かで、それぞれの子どもの「今の感性」がそのまま形になっていた。

ブロンクス子ども博物館のコンセプト

フロント横の休憩スペース、ここで食事なども可能

ブロンクス子ども博物館は2005年、「子どもたちのいる場所にこそ学びを届けよう」との考えの下、アウトリーチプログラムとして始動、建物もない状態でスタートした。5年後には、巨大な紫色のバスを改造した「モバイルミュージアム」が登場。

地域の子どもたちのもとへ直接出向くようになった。バスの中にはSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)をテーマにした遊びや学びの仕掛けがぎっしり詰まっており、ブロンクス中を巡りながら、子どもたちの目を輝かせてきた。

子どもたちの笑い声が響く恒久的な拠点が誕生したのは22年12月。建物内には地域に根ざした文化や自然をテーマにした体験型展示が広がってる。実際訪れてみて、子どもたちが遊びながら学び、表現する楽しさを全身で味わっている姿を目にして、ブロンクス博物館の魅力を改めて発見した。

一緒に訪れたい、周辺のおすすめスポット

■ Mill Pond Park(徒歩約5分)

Mill Pond Parkの水遊びエリア


川沿いに広がる広大な公園。24年7月にリニューアルされたばかりのプレイグラウンドには、すべり台、クライミング、ロープ遊具などがそろう。噴水式の水遊びエリアもあり、着替えを持参すれば水遊びも楽しめる。

住所
East 150th St. & Exterior Sts., Bronx, NY

■ Bronx Terminal Market(徒歩約7分)

Bronx Terminal Market

食事や買い物に便利な大型商業施設。フードコートでは各国の料理が楽しめ、TargetやBest Buyなどでショッピングも。Chuck E. Cheese(ファミリー向けレストラン&ゲーム施設)もあり、子どもたちのテンションも最高潮に。


住所
610 Exterior St., Bronx, NY

文・写真/Miho Hirano

Bronx Children’s Museum

住所
725 Exterior Str., Bronx, NY

開館
10:00-13:00/13:30-16:30(2部入替制)
火・木・土・日(休館日:月・水・金、祝日)
※予約不要だが、土・日は予約推奨。

入館料
$14(大人)、$8(子ども)

公式サイト
https://www.bxcm.org/admission

公式インスタグラム
@bronxchildrensmuseum

                       
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