ニューヨーク市の連邦判事は12日、連邦裁判所における移民関税執行局(ICE)による逮捕を当面継続できるとする判決を下した。トランプ政権を支持する判決で、異議を唱えた移民権利擁護団体側の主張を退けた。地元のニュースサイト、ゴッサミストが13日、伝えた。

移民を支援する非営利団体アフリカ系コミュニティー連合とザ・ドアは8月、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提出した訴状で、連邦当局は数十年にわたり「こうした逮捕は司法へのアクセスを阻害し、公正な司法運営を妨げる」として、裁判所内での民事逮捕を概ね避けてきたと指摘。法廷で個人を拘束する習慣や見せしめ的な行為は、恐怖心を掻き立て、審理欠席を誘発する可能性が高い。
ブッシュ(子)元大統領(共和)が任命した連邦地方裁判所のケビン・カステル判事は棄却理由として、提訴した両団体が、「ICEの裁判所内での逮捕方針が違法であること、あるいは同局の過去の行動と矛盾することを立証できなかった」とした。また、ICEが移民審理の外で待機する手法について、「ICE職員へ危害が及ぶリスクを低減し、かつ対象者の所在確認に必要な資源を削減するため合理的である」と述べた。
バイデン前大統領の下では、ICE自体が司法へのアクセスを守るため法廷を立ち入り禁止区域と宣言した。しかしトランプ政権は地方刑務所がICEへの引き渡しを拒否するため逮捕が必要だと主張。カステル判事は、バイデン、トランプ政権間で手法は変化したものの、「ICEは裁判所に出廷することが認められており、現在も認められている」とした。
一方で、カステル判事はトランプ政権が進めてきた、裁判官による即時棄却を通じた強制送還の加速措置を一時的に制限。これにより、マンハッタンとブロンクスの移民裁判所では即時の棄却が困難となり、一定の法的手続きを確保できるようになる。
移民審問が行われる連邦プラザで6月、ICE職員が男性を拘束するのを止めようとして拘束されたブラッド・ランダー市監査官(民主)は同判決に対し「カステル判事が連邦プラザ26番地にたった1時間でも足を運べば、そこで行われている逮捕が明らかに『恣意的、気まぐれ、あるいはその他の法律に反する』ものであることを自らの目で確認できるだろう」と反発。「近隣住民に対する残酷で無法な拉致を継続させるという彼の判断は大いに誤っている。歴史はこれを厳しく裁くだろう」と述べた。
今回の判断は暫定的なもので、今後の裁判で拘束が恒久的に禁止される可能性も残されている。移民の権利を巡り市・州・連邦の対立は続いており、市民社会からは司法の公正さを守る声が高まっている。
◆ 在留邦人への影響は?
在留資格が不安定な日本人留学生や労働者は、裁判所での拘束リスクが増える可能性がある。その結果、移民関連の手続きをためらい、必要な法的支援や裁判を避けるケースが出る恐れがある。
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